菓子メーカーのA社様では、これまで自社が運営する店舗やECサイトを中心として商品の販売を実施されていました。昨今では、より広い消費者層をターゲットとしたアプローチを実施するため、コンビニや飲食店とのコラボ商品の販売や、カフェ業態での出店など、商品種別や販売経路は大きく拡大していました。こうした背景から、年間に発売される商品数は100点を超え、コンタクトセンターへの商品に関するお問い合わせ内容も、多種多様なものとなっています。A社様のコンタクトセンターでは、新商品や終売商品も含めた全ての商品情報は、1点1点が全てPDFデータとして管理されており、コミュニケーターはお客様からの問い合わせに対し、膨大なPDFデータから該当商品を見つけ出す必要がありました。こうした非効率な運用の結果、コミュニケーターが上手く商品情報を探すことができず、お客様をお待たせする状況が発生していました。「多数の商品情報」を覚える必要がある業務難易度の高さに加え、「お客様をお待たせしてしまう」という状況もあり、結果として多くの退職が発生し、センター運用上の大きな課題となっていました。当社はこの課題に対し、「AI検索エンジン」を搭載した「業務ナレッジ検索システム」を導入し、ナレッジ管理の高度化と運用効率化の取り組みを開始しました。

ナレッジ検索システムの導入により、以下2点の成果が出ています。まず1つ目に、商品情報の検索効率が大きく向上したことで、システム導入前と比較して保留時間が約80％短縮しています。お客様の問い合わせに対するスピーディーな回答を実現することで、顧客満足度の向上と、センター運営に係るコミュニケーター/管理者工数の大幅な削減に成功しています。2つ目は、業務品質の向上です。システムの導入により回答精度が向上しただけではなく、業務難易度も低下し、ベテランのコミュニケーターによる高い応対品質を実現しています。また、新人研修における初期トレーニングにおいても、商品知識の「記憶型」のカリキュラムからお客様対応を想定した「OJT」をメインとしたカリキュラムに変更し、着台直後のコミュニケーターにおいても、応対品質が向上しています。
今後もAI活用による業務効率化、品質向上を行い、顧客満足度の向上とクライアントサービスの拡大実現に向けて、さらなる支援を実施してまいります。