カスタマーセンターの効率化と顧客とのつながりを深める、SNSアクティブサポート

株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ 様

  • コンタクトセンター
  • バックオフィス
  • ソフトウェア/通信
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RECOMMENDATIONこんな人に見てほしい

  • SNS活用による顧客接点の多様化を進めたい方

  • SNSで発信されるお客様の声にリアルタイムで対応されたい方

  • スピーディーな課題解決によるCX/サービスイメージの向上を図りたい方

ISSUE 課題

  • ノンボイス業務の強化によりコールを抑制したい

  • SNSに寄せられるお客様の声に丁寧かつスピーディーに対応したい

  • よりCXを向上させてサービスのファンを増やしたい

INSTALLATION SERVICE 導入サービス

  • コンタクトセンター

    X(旧Twitter)上のお客様の声に対応するサポートデスクの構築・運用

RESULTS 成果

  • X(旧Twitter)に寄せられるお客様の声に対応できる運用を構築し、CX向上を実現

  • センターからの自発的な情報発信により、サービスのファン層を拡大

  • SNS業務のアウトソース運用を確立

誰もが自由に発信できるSNS。昨今は、企業のサービスや商品に対する意見や感想などもSNS上で多数発信されており、それらに対するフォローやサポートは企業にとって大きな命題となっています。株式会社スカパー・カスタマーリレーションズは、ベルシステム24と共にこの命題に取り組み、2022年6月1日から「X(旧Twitter)アクティブサポート」の運用を開始。電話やメールだけではなく、X(旧Twitter)でもお客様サポートを日々実施し、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上と「スカパー!」のイメージアップにつなげています。

お話を伺った方

運用統括部 西尾 勇城 様
CXデザイン部 企画チーム 中村 久美 様
営業部 鈴木 亮也 様


取材日(2023年7月4日)時点

20年超にわたって共に課題解決にあたり、揺るぎないパートナーシップを構築

日本最大の有料多チャンネル放送サービス「スカパー!」。そのカスタマーセンターを運営する株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ(以下、SPCC)は2000年の設立以来、ベルシステム24を重要なパートナー企業として位置付け、センター運営面・システム面など幅広い範囲で受託、センターオペレーションの高度化の意見交換も頻繁に行っております。
その中でベルシステム24は、SPCCのコールセンター業務の受託に加え、人材派遣も実施。一方、SPCCはセンターの音声基盤としてベルシステム24のクラウド型コールセンターシステム「BellCloud®」を全拠点に導入。さらに、2020年3月からは既存のコールセンター環境と同等以上のセキュリティ対策を施した在宅ソリューション「Bell@Home」を導入し、コロナ禍初期から在宅化を開始しています。
「SPCCはセンターの在宅化を、コロナ禍以前から検討していましたが、コロナ禍の初期から実現することができたのは長年にわたって共に課題解決に取り組んできたパートナーシップがあるからこそ、スピーディーに実現できたのだと思います」と西尾氏。この取り組みにより、災害など非常時のBCP対策を万全にするとともに、多様で柔軟な働き方による生産性の向上や従業員満足度の向上につながっていると言います。

運用統括部 西尾 勇城 様

さらに西尾氏は次のように続けます。

「ベルシステム24は積極的に様々な提案をしてくださいます。一般的に提案する側は自社の利益を優先しがちですが、ベルシステム24は親身に『スカパー!』を思い、『SPCCやその先にいるお客様のためにこうしたほうがいい』と率直な意見を述べて顧客ファーストの提案をしてくれます。目線や考え方が常にポジティブです」

また、中村氏は「ベルシステム24は改善提案においても目の付けどころが良く、必ず効果が見えるような数字を出して提案してくださるので、検討がしやすく助かっています。また、レスポンスが早いことも素晴らしい点です。何か新しいことを始めようとするときに、次の一手をスピーディーに打つことができています」と語ります。

一方、SPCCもベルシステム24のみなとみらいセンターに足を運びコミュニケーターを労うなど、現場のフォローを欠かしません。

この20年超にわたる綿密な連携は、採用面にまで拡大しています。SPCCのサイト内に委託先であるベルシステム24の求人広告を掲載したり、入社前の求職者に対して事前にセンターを見学する仕組みを作るなど、一緒に採用スキームを構築しています。

コールの抑制を目指し、SNSでのノンボイス業務に着手

密で強いパートナーシップのもと、両社は2022年4月から「X(旧Twitter)アクティブサポート」の運用構築という新たな取り組みに着手しました。

「きっかけは、ベルシステム24さんとの業務上での会話からでした。センターに蓄積されたノウハウや人材を活用して業務改善ができないかと話し合っていたときに、X(旧Twitter)上の『スカパー!』への意見やお困り事などに対してカスタマーセンターが丁寧かつこまめにリプライ(返信)すれば、CXの向上につながるだろうと考えたのです。また、X(旧Twitter)を上手に活用してノンボイス業務を強化することで、コールの抑制にもつながるだろうと考えました」と鈴木氏。

そこでさっそくSPCCはサービス設計案を企画し始めました。一方ベルシステム24は業務の提案を行いました。
「それまでX(旧Twitter)業務はスカパーグループの社員が実施しており、『X(旧Twitter)業務をアウトソースする』という考えがありませんでした。そのため、サービス設計の際に課題となったのは『炎上などのトラブルをどのように抑止・解消していくのかといった対応方針が決まっていない』ということでした」(鈴木氏)
この課題に対し、X(旧Twitter)業務の基準を明確化するために、「スカパー!」に対する実際の投稿を集め、その中からユーザーの皆さんがお困りごとを書いた投稿を抽出し、「まずはお困りごとの投稿に対してのみリプライしてサポートする」という方法を提案しました。さらに、リプライする文面はベルシステム24とSPCCでダブルチェックを行うなど、トラブルを防止するためのサービス設計にも貢献しました。
「このサービス内容が社内、SPCCの親会社であるスカパーJSAT株式会社(以下、SJC)にも受け入れられ、2022年4月下旬、『X(旧Twitter)アクティブサポート』の運用を同年6月1日から開始することに決定したのです」(鈴木氏)

営業部 鈴木 亮也 様

強いパートナーシップのもと、1カ月でスピーディーに業務の立ち上げを実現

こうして施策実施が決定しましたが、運用開始までの準備期間は実質1カ月しかありませんでした。

「コミュニケーターの皆さんがスムーズに運用できるようにするために何をどうすればいいのか、全てはこの1カ月が勝負でした。ベルシステム24にはコミュニケーターさんが実行しやすい運用や業務設計などを共に考えていただき、ありがたかったです」と鈴木氏。

そして、SPCC、SJC、ベルシステム24は、3社で協力しながら次の4点に取り組みました。

1点目は「インフラ・運用の準備」です。X(旧Twitter)のアルゴリズムを独自で調べ、効率的に投稿を検知できるような仕組みを構築。コミュニケーターが投稿をチェック・リプライしやすい環境を整えました。また、運用はベルシステム24が蓄積してきたノウハウとスキームを活かして、スピーディーに型化。それをJSAT、SPCCと3社で擦り合わせ、確立していきました。

2点目は「コミュニケーター用のマニュアル作成」です。運用ルールや手順はもちろんのこと、X(旧Twitter)を頻繁に利用しないコミュニケーターもいたため、X(旧Twitter)の仕組みや利用上のマナーや注意点も盛り込み、型化しました。

3点目は「リプライするテンプレートの作成」です。電話、LINE、チャット、メールなど様々なチャネルのお客様対応でこれまで蓄積してきたFAQやX(旧Twitter)に寄せられたお困りごとを参照しながら、文面のテンプレートを作成しました。

4点目は「コミュニケーターの研修・教育」です。作成したマニュアルやテンプレートを活用しながら、運用手順や注意点を徹底。スムーズにX(旧Twitter)業務に取り組めるようインプットしていきました。

これらの取り組みを3社の強固な協力体制により1カ月間で実施し、スピーディーに業務を立ち上げることができたのです。

しかし、運用開始直後は壁に直面したと鈴木氏は振り返ります。

「スカパーについてお客様から発信される投稿の内容は多岐にわたりますが、最初は炎上防止策として『スカパーについてのお困り事ごとが書かれた投稿に対してのみリプライ投稿する』と基準を厳しく設定していたため、リプライできる投稿が思うように見つからなかったのです。運用しながら『適度なところまではアクセルを踏んでもいい』という感覚が徐々につかめ、基準の見直しと対応範囲の拡大をしていきました」(鈴木氏)

X(旧Twitter)での自発的な発信により、フォロワーやファンを増やす

運用開始後、日々改善を重ねた「X(旧Twitter)アクティブサポート」。運用全体はもちろん、KPIの設定なども3社で一緒に考え、策定していきました。
また、改善だけでなく、新たな業務の拡大にも着手。お困りごとの投稿にリプライするだけでなく、「スカパー!」カスタマーセンターのアカウントからの自発的な投稿も始めました。
「フォロワーを増やすための様々なアイデアを3社で出し合い、よくあるお問い合わせ内容を自発的に投稿することを始めたのです。これまで各チャネルで対応したお困りごと情報の蓄積を活かし、イベント情報などと掛け合わせた内容を当社から投稿。その情報をお客様が閲覧することで、円滑なお困りごと解決につながるような好循環を実現しました。また、特定の番組の視聴方法を投稿することも開始し、放送当日のスムーズな視聴サポートを実現。こうした新たな施策をベルシステム24と一緒に考えて実行することは、とても楽しかったですね」と鈴木氏。
さらに、中村氏、西尾氏は次のように振り返ります。
「積極的なリプライや投稿を始めてからは、コミュニケーターさんに多くの投稿文面を作成していただきました。最初のうちは、投稿前に当社でチェックすると修正が必要な文面も見られましたが、この数を減らすための改善をベルシステム24に取り組んでいただいたところ、翌月には投稿不可な文面数が激減。この改善力はさすがだと思いました」(中村氏)

CXデザイン部 企画チーム 中村 久美 様

「X(旧Twitter)上でのサポートが成り立ち、初めてお客様のお役に立てていると実感できたとき、『この施策を実行して良かった』と思いました。それまでは、お客様から電話やメールでお問い合わせいただいた内容にお応えするという受け身の対応でしたが、『X(旧Twitter)アクティブサポート』は私たちからお客様にアプローチするという自発的な対応です。顧客接点の領域が新たに広がったと感じています」(西尾氏)

運用を開始して約1年。「会社として初めてX(旧Twitter)業務をアウトソースできたことが大きな成果です」と鈴木氏は語ります。そして、「この成果を基に、社内に複数あるアカウントのアウトソースを進め、業務効率化をより発展させていきたいと考えています」と続けます。

加えて、西尾氏と中村氏も今後の展望を語ります。

「動画配信サービスなどチャンネルが拡大する現在、『スカパー!』の加入者を増やしていくことが大きな課題です。ベルシステム24には、そのための取り組みを一緒に考え続けていただくことを期待しています」(西尾氏)

「今後は、さらにノンボイス業務を強化・拡大し、電話対応以外での顧客接点も最大化することで、幅広い年齢層の方から支持いただけることを目指しています。ベルシステム24には、『スカパー!』ファンに最高のサービスを提供できるように提案を続けていただき、これからもいいパートナーシップを築いていきたいと考えています」(中村氏)

株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ 様

企業サイト:https://www.spcc-sp.com/

2000年8月設立。以来、様々な先端テクノロジーの活用により、マルチチャネル・マルチサイト・マルチベンダーで、有料多チャンネル放送「スカパー!」のカスタマーセンターを運営。設立20周年を迎えた2020年には、テクノロジーの活用に加えて、HDI(世界初の国際認定資格制度を構築したITサポートサービスで世界最大のメンバーシップ団体)の3部門で三つ星評価を獲得するなど、人による豊かなサービスにも高評価を得ており、通販、メーカー、ネット事業等様々な業種業態の企業向けでコンタクトセンターや事務代行などサービスを拡大。資本金1億円。

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