OCR×RPAで年間7000時間の工数削減、IT化がお客様に付加価値のある対応を可能にし プロフィットセンターを実現する

カゴメ株式会社 様

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~ITでできることはITに頼り、その分、有人ならではの付加価値のある業務にリソースを割いていきたいと思っています~(松村様)

ISSUE 課題

  • 高いサービス水準を維持するために業務量が増え、煩雑になっていた

  • ハガキでの注文が多く、手入力で大幅な工数がかかっていた

  • 単純作業を減らし、お客様対応にさらに注力したい

INSTALLATION SERVICE 導入
サービス

  • 多岐にわたる業務の整理、可視化

  • OCR、RPAを活用した業務の効率化

  • AmiVoiceを活用したコミュニケーターの応対品質の向上

RESULTS 成果

  • 業務の整理だけでなく、IT化可能な業務の切り分けも

  • OCR~RPAの組み合わせで、注文処理を効率化。年間7000時間の工数削減に

  • 定期継続支援などの付加価値の高いサービスに注力が可能に

1998年に「夏しぼり」というトマトジュースをお客様へ直接お届けしたいという想いから始まったカゴメ様の通信販売、健康直送便。
その後も品数を増やし、お客様の「うれしい」のため、顧客のロイヤリティ醸成を実現してきました。
ベルシステム24はそんな健康直送便の顧客対応からバックヤードまで、事務局運営全般を対応しています。
企画や施策の立案段階から共同で行うことで、顧客の声だけでなく、従業員の声も拾い上げ、両者のエンゲージメント向上に寄与してきました。
こうした活動は前回の事例でもご紹介していますが、今回はそこに加えて、ベルシステム24が現在、急速に進めているITを用いた業務効率化に関してお話を伺いました。

お話を伺った方

健康直送事業部フルフィルメントグループ課長 松村 國臣 様
同 主任                  二戸 有紀 様

取材日(2025年6月30日)時点

カゴメの通販事業である健康直送便

松村様
「我々、カゴメの事業としては、自然の恵みである野菜や果実の美味しさ、栄養を活かしたものづくりが中心となっています。また、食を中心とした事業活動を通じて、健康寿命の延伸、農業振興による地方創性、そして持続可能な地球環境といった社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
健康直送便は、カゴメの通販事業として1998年に取り組みを開始しました。今も夏になると発売する「夏しぼり」という商品があるのですが、これを販売したことがきっかけとなっています。非常に好評で、その声に応え、期待を上回るような喜びをご提供するために、それ以降は野菜ジュースだけではなく、色々な飲料、食品、サプリメントの展開を行ってきたという経緯になります。
今でこそ、ECの比率が高まってきましたが、我々のお客様は60代を中心に70代、50代が多いので、新聞、折込チラシ、テレビインフォマーシャルなど、オンラインではない媒体も重要な顧客接点となっています」

健康直送事業部フルフィルメントグループ
課長 松村 國臣 様

松村様
「ベルシステムさんにお願いしている業務内容としては、健康直送便のコンタクトセンター業務が中心になります。電話だけでなく、メール、ファックス、ハガキ、チャットなど、色々なチャネルを通じて、お客様からのご注文やお問い合わせに対応いただいています。
その他にも、物流倉庫への商品の配送指示や、お客様への郵送物など、お客様との直接のやり取りではない後方支援業務も担っていただいています。
ベルシステムさんにお願いする決め手となったのは、御社の提案力や、当時の営業の方を含めた対応品質の高さ、そして何よりその企業風土に親和性があると思ったからです。ベルシステムさんの堅実に業務を行っていくスタイルは当社の風土にも合うと思ってお願いしました」

プロフィットセンター、CRMセンターとして

サービス水準を上げようと思うと、業務内容がどうしても追加で増えていってしまいます。作業を可視化することによって、業務の優先順位付けと取捨選択をすることができました~(松村様)

松村様
「健康直送便コンタクトセンターのあるべき姿はコストセンターではなく、お客様に付加価値を提供し事業の利益に貢献するプロフィットセンターです。そのため、お客様とのコミュニケーションはとても大切に考えています。
とは言え、当然コストも上昇していく中で、リソースの最適配分がひとつ課題としてありました。コミュニケーターさんや管理者の方が付加価値のある業務に集中してもらうため、後方支援業務を含むすべての業務を誰がどれぐらいの時間かけてやっているのか全て洗い出してもらいました。
業務を可視化することで、我々も御社が投下するリソースの内容が見えますし、それを見た中で、この業務は減らせるよねとお互いの認識合わせができます。
やっぱり、サービス水準を上げようと思うと、業務内容がどうしても追加で増えていってしまいます。作業を可視化することによって、業務の優先順位付けと取捨選択をすることができました」

RPA、AmiVoiceを活用して効率化を

~OCR で読み取った情報をRPAでシステムに自動登録することで、有人で行っていた作業量の3割程度まで削減できています~(松村様)

松村様
「そうした可視化がちょうど2018年くらいから始まったのですが、同時期にRPAを使い始めようという話になったと思います。
その当時はまだRPAの活用に関して、コンタクトセンター業界だけでなく、世の中的にもそこまで大きく動いている時ではなかったのですが、ベルシステムさんからのご提案でしたので、チャレンジしてみましょうとなりました。
特にRPAで効果があったのは、紙の注文、中でもハガキの注文をOCRでデータ化して、RPAで、チェックして取り込むという施策です。お客様の年齢層が高いこともあり、ハガキの注文は現在でも相当な件数があります。それを以前は手動で入力していましたので、かなり大変な作業でした。それがOCRで読み取ってRPAで自動登録することで、有人で行っていた作業量の3割程度まで削減できています。時間数でいうと、7000時間ほど、年間で削減されていることになります」

二戸様
「RPA以外のIT施策ですとAmiVoiceもコミュニケーターの応対品質評価で活用していただいています。音声をテキスト化して、QAの担当者の方がそれを使って評価をし、コミュニケーターにフィードバックすることで、応対品質の改善スピードを高めたり、FAQの更新の部分でも活用できています。」

松村様
「我々が半期に一回行っているミステリーコールでも非常にいいスコアを出してもらっていますので、効果が出ていると思います」

健康直送事業部フルフィルメントグループ
主任 二戸 有紀 様

ITで効率化できた分、付加価値のあるお客様対応が可能に

~ベルシステムさんとデータを見ながら、仮説を作って、施策を行い、PDCAを回しながら、お客様対応をさらに良くしていこうとしています~(松村様)

松村様
「根底にあるのが、先ほどお話しした通り、健康直送便のコンタクトセンターをプロフィットセンターと位置づけているので、単純にITが進化していくから、その分人を削っていくようなコストセンターではないと言うことです。
ベルシステムさんの応対品質はお客様からの評価も非常に高くて、以前、お客様に対してアンケートを取った際も、商品や配送、ECサイトよりもコンタクトセンターの評価が高かったこともありました。先ほどお話ししたミステリーコールの評価も含め、ベルシステムさんのお陰だと思っております。そうしたお客様対応の品質はこれからも非常に大事にしていきたい部分ですので、コスト削減が全てだとは思っていません」

松村様
「そのため、単純に有人からITに置き換えるのではなく、ITでできることはITに頼り、その分、有人ならではの付加価値のある業務にリソースを割いていきたいと思っています。
現在、行っているそうした付加価値のあるお客様対応の一例としては「お伺いアウトバウンド」と呼んでいる定期購入者へのご様子伺いがあります。
他社さんも同じような課題を抱えていると思うんですけれども、定期購入を始めてから、3回目で離脱されるお客様というのが非常に多いんですね。
解約のお電話をいただいたタイミングでお客様とコミュニケーションをとっても、定期を継続してもらうのはなかなか難しい、そのため定期商品が届く2回目から3回目の間に、一度、お客様をフォローするご連絡をするようにしました。飲み切れていますか?溜まっていませんか?と言ったことを聞くと、やはりちょっと飲み切れずに余ってきているといったお声がありました。そこでお休みの制度もありますよとか、この飲み方でしたらもっと消化できますよといったお話をすると、継続してくれるお客様が増えました。
こんな風に、ITで効率化できた時間を活用し、ベルシステムさんとデータを見ながら、仮説を作っては施策を行い、PDCAを回しながら、お客様対応をさらによくしていこうとしています」

センターのメンバーが目線を合わせてくれている

~センター内の色々な場所に表彰の張り紙があって、皆さんが賞賛しあう文化がすごく伝わってきました~(二戸様)

松村様
「我々は従業員のエンゲージメント向上にも併せて力を入れています。そうした施策の一環として、毎月コンタクトセンターにお邪魔をして座談会などを行っています。また半期に一度は表彰式も開催しています。座談会では、コミュニケーターさんの要望を聞いて、実際にカーペットを交換したり、ヘッドセットを使いまわしたくない人のために個人用のヘッドセットを用意したり、現場の環境改善に活かしています。
とても印象に残っているのは、ボイスボットを導入した際に、コミュニケーターさんが「自動化がどんどん登場して、私たちはいらなくなっちゃうと思われるかもしれないですけど、私たちにしかできないことがあるんです」とおっしゃってくれたことです。お互いが同じ目線で業務をできていることが実感できた瞬間でした」

二戸様
「私は今年の4月にこの業務の担当になりました。それまでは全く別の業務でしたので、実際のコンタクトセンターに初めて伺った際、様々な発見がありました。センター内の色々な場所に表彰の張り紙があって、皆さんが賞賛しあう文化がすごく伝わってきました。センター内も穏やかな空気で、カゴメの波長とも合うと感じました。こうしたパートナーシップで、これまで長く続けてこられたんだろうなと納得しました。
最近も、エンゲージメント施策の一環で、コミュニケーターさんと商品を通じて、一緒にレシピを考えたりしています。今後もなるべくコミュニケーターの皆さんとお話しする機会を増やしていきたいと思っています」

生成AIの活用を急ぐ

松村様
「ITの分野で今後活用していきたいのは、やはり生成AIですね。探求から導入、活用まで進めていきたいと思っています。それは今までのIT活用と同じように、コミュニケーターさんにはよりお客様対応に集中してもらいたいというリソース配分の観点があります。
例えばお客様との対応後の処理の削減ですね。現在、人が手で入力している対応履歴を生成AIが通話を要約して代理するといったことをベルシステムさんとも検討を始めています。他にも、ベルシステムさんからはメールの文案作成で生成AIを活用する提案を頂いています。」

松村様
「健康直送便はこれからも商品を通じて、お客様とのコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。我々の通販事業は商品企画から、お客様への広告、販促活動、それからベルシステムさんにお願いしている受注、受付、商品の配送から決済まで行っており、このように一連で取り組みをしている部署は社内でも珍しいんです。お客様と直接コミュニケーションが取れることも、他の部署にはない、我々の事業の特徴です。そうした特徴を活かして当社の優良顧客を創出できるよう、社内でリーダーシップを発揮していきたいと思っています。
ベルシステムさんにはぜひ、今後も私たちのサポートをしていただけることを期待しています」

インタビューは終始笑いが絶えない和やかな雰囲気の中で行われました。カゴメ様には従業員のエンゲージメントを向上させることが、お客様のLTVを向上することに直接繋がるという強い思いがあり、その両立を大変重視されていました。
ベルシステム24もそうしたカゴメ様の想いに応えようとしたからこそ、ただの効率化に留まらない、よりお客様対応への付加価値を強められるような提案、施策をできたのだと思います。
文中に出てくる松村様とコミュニケーターの会話もまた、両者の信頼関係が強く伝わってくるものでした。
今後も、ベルシステム24はカゴメ様の健康直送便を様々な角度から支え、お客様のLTV向上に寄与していきたいと考えています。

カゴメ株式会社 様

企業サイト:https://www.kagome.co.jp/

カゴメ株式会社は、トマト加工品や野菜飲料の製造・販売を主な事業とする食品メーカー。1899年創業で、本社は名古屋市中区および東京都中央区に所在。国内外で幅広く事業を展開し、「自然を、おいしく、楽しく。」をブランドステートメントに掲げる。主力商品は「カゴメトマトケチャップ」「野菜生活100」「カゴメトマトジュース」など。

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