終活という特別な場でも、寄り添える対応を 内製センターとのシナジーが応対品質を向上させる

株式会社鎌倉新書 様

  • コンタクトセンター
  • サービス/インフラ
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今後も、ベルシステムさんとともに、弊社のコンタクトセンター全体の品質をより高めていくことを目指していきます~(宮脇様)

ISSUE 課題

  • センシティブで難易度の高い業務を外部委託したい

  • 内製センターを含めて、応対品質を高めたい

  • 内製センターの応対評価の基準を定めたい

INSTALLATION SERVICE 導入
サービス

  • KPI達成のロードマップを作成し実行

  • スクリプト、フローの整備、バックアップ体制の強化

  • 応対評価の基準を内製センターでも活用

RESULTS 成果

  • 業務開始半年で内製メンバーと同等のKPIを達成、その後も成長

  • 高い受電率を保ちながら、新しい施策にも挑戦できる体制の確立

  • 内製センターとベルシステム24との並走による相乗効果で品質向上

2025年には団塊世代が全て後期高齢者となり、日本では今後毎年150万人以上が亡くなる「多死社会」に突入すると言われています。
鎌倉新書様はそんな社会状況における様々な「終活」をトータルでサポートするサービスを行っています。
ベルシステム24はそうした鎌倉新書様のコア事業である「いい葬儀」「いいお坊さん」といった紹介サービスのお客様対応を受託しています。
本業務は葬儀関連の知識やセンシティブな対応が必要となるだけでなく、葬儀社への紹介に導く営業スキルも必要となり、非常に難易度が高くなっています。そうした点から鎌倉新書様は業務を外部委託することに対して難しさを感じていらっしゃいました。
今回はそうした難易度の高い業務において、どのようにベルシステム24が委託を可能にしたか、さらに内製のセンターとベルシステム24との並走が生み出した相乗効果についてお話を伺いました。

お話を伺った方

葬祭事業部CXグループ
グループマネージャー
古橋 篤 様

取材日(2025年8月7日)時点

葬儀というサービスの難しさ

何より、一番の難しさはお客様の心理状態に寄り添っていくことだと思っています

「鎌倉新書のメイン事業は主に三つに分かれています。一番割合が大きいのは「こころ」と表現していますが、供養にまつわる領域になります。そして「おかね」と「からだ」という領域になっています。これらを通して終活をトータルでサポートしております。
「こころ」では葬儀、お墓、仏壇といった内容を扱っています。「おかね」の領域では不動産と相続、「からだ」の領域は介護を扱っています。その他に細かいサービスがいくつかありますが、基本的にはその三つの領域で、主に紹介事業を行っています」

「今、ベルシステムさんにはその「こころ」の領域の中で、「いい葬儀」、そして「いいお坊さん」といったサービスにおけるお問い合わせ対応をお手伝いいただいています。
「いい葬儀」は日本最大級の葬儀相談・依頼サイトです。「いいお坊さん」は葬儀や法要の際の僧侶派遣のサービスとなっています。「いいお坊さん」に関しては、ベルシステムさんにお坊さんの手配に関する電話応対や、お客様と派遣僧侶との日程調整まで行っていただいています。
お客様からのお問い合わせには、様々な内容がございます。それこそ、マナーを聞きたいとかお花を出したいというようなお問い合わせなどもございますが、多くの場合は葬儀を行う当事者からのご相談となります。その際、何より、一番難しいのはお客様の心理状態に寄り添っていくことだと思います。「いい葬儀」では、大切なご家族を亡くしてしまった直後のお客様からのお問い合わせが多いため、応対についてはかなり気遣いが必要となります。また、まだお亡くなりではない事前のお問い合わせについても、実は余命宣告をされているなど、やはり悲しみの中でお電話いただくことが多く、こちらも同様です。こうした点はオペレーターに対しても大きな心理的な負担になると思いますし、定着率にも関連性があると感じています。
また、葬儀はそれ自体の単価が高いため、私たちが紹介や成約に対して葬儀社からいただく手数料もそれなりに高額となります。これはつまり、電話一本当たりの価値が他の多くのコンタクトセンターよりも高くなるということです。そのため通常のコンタクトセンターでは考えられないくらい高い受電率となっています。先月で99.5%ほどでした。放棄呼が0.5%ということですね。
ただ、葬儀というサービスの特殊性を考えると、そうしたお電話に対して営業に偏ることも良くないわけです。逃げ道をなくしてしまうようなトークフローをするわけにはいきませんので、しっかりご説明してご理解いただいた上でお客様に葬儀社をご案内しなくてはいけないところにも、このお客様対応の難しさがあると思います」

葬祭事業部CXグループ
グループマネージャー
古橋 篤 様

ベルシステム24への委託の決め手はKPI達成へのロードマップ

ベルシステムさんにお願いするようになって、品質が明らかに上がったという感覚はあります

「元々は内製と他のベンダーさんとでお問い合わせを対応していましたが、品質の向上がなかなか進まないというところに課題を感じていました。また先ほどお伝えした通り、ひとつひとつの電話の価値が高いため、電話に出られないという事象を何より無くしたいと考えていました。
ベルシステムさんにお願いしようとなった決め手として、私たちは葬儀社への紹介数や成約数をKPIとして定めていますが、KPI達成の手段と、達成後も維持をしていく手法が明確であったこと、そしてKPIだけでは測れない電話応対の品質に対してのコミットメントが高かったことがありました。
ベルシステムさんにお願いするようになって、品質が明らかに上がったという感覚はあります。主要KPIについても、委託後右肩上がりになっており、半年ほどで内製メンバーと同等の水準まで達成いただいています。また、業務自体がかなり見える化するようになったと思います。細かく連携もしていただいていますし、ベルシステムさんで作っていただいたスクリプトやフローは全部こちら側にも見えるように公開していただいています。私たちも、そこから着想を得て、内製の方で仕組みを作っていくことができています。あとは、何よりSVの存在が非常に重要だと考えています。電話一本あたりの価値が高いため、一人の欠員が大きな損失になってしまいます。その点で、ベルシステムさんではSVを2名、常に配置していただいているので、誰か一人が遅れたり、休んだりしてもフォローしていただける体制になっていることは、絶対に放棄呼が出せないという状況下では重要なことだと思っております」

KPIを達成するだけでなく、応対品質も高めていきたい

~外部の視点から客観性をもってフィードバックしていただくことで、内製のメンバーにとっても大きな気づきが生まれるといった効果が出ています~

「KPIの達成を最優先することが必ずしもお客様にとって正しいわけではないというケースがあると私たちは思っています。そのため以前はKPIを中心に追い求めていましたが、現在はまず応対品質を高めていこうと考え方を変えました。その上でKPIを求めないと、正当にオペレーターの評価もできないと考えています。ただ、私たちはこれまで応対品質に対しての基準を持ち合わせていませんでした。そこでベルシステムさんに、評価基準に関してお聞きしたところ、社内で基準を設けているとのことでしたので、それを現在は内製のセンターのほうでも導入させていただき、応対品質のチェックを行っています。さらにベルシステムの方にオペレーターと1on1も行っていただいているので、外部の視点から客観性をもってフィードバックしていただくことで、内製のメンバーにとっても大きな気づきが生まれるといった効果が出ています。
こうした評価基準を取り入れたことで、内製のセンターではテクニカルな面でのポイントは高いものの、コンタクトセンターにおけるポータブルスキルとなるような基本スキルで足りていないところが散見されることがわかりました。こうした発見も品質向上に大きく貢献しています。
また、ベルシステムさんと内製メンバーのSV、MGR間で、頻度高くコミュニケーションを行うことでの相乗効果も生まれています。色々とお聞きしても、包み隠さず答えていただけるので、弊社としても施策の浸透やコンタクトセンター運営についてのノウハウを学ばせていただく場面が非常に多く、大変助かっています」

新しい取り組みもベルシステム24がサポート

翌々日にはフローとスクリプトが作成されてきました。ベルシステムさん強い!とその時すごく思いました


「直近で印象に残っているエピソードがございまして、先月の頭ぐらいに新しい取り組みの話が出ました。先ほどお伝えした通り、葬儀には2パターンのお問い合わせがあるのですが、その中でも事前のお問い合わせのお客様に対しては成約率が非常に低かったのです。そこを上げていくために、フォローのアウトバウンドをしてみようという話になりました。鎌倉新書の内製側でアサインしたい人材はいたのですが、その人の事情もあり少し準備に時間がかかりそうでした。その間、何もしないのももったいないということで、ベルシステムのSVの方に事前にテスト稼働ができないかと相談をしたんです。そうしたら、翌々日にはフローとスクリプトが作成されてきました。ベルシステムさん強い!とその時すごく思いました。
そのおかげで、内製のメンバーが稼働するまでの期間でベルシステムさんの方でテストをしていただき、事前にデータを集めることができました。スピード感だけでなく、フローやスクリプトの品質も高かったため、非常に驚きました」

「こうしたアウトバウンドは、今後クロスユースにおいても活かされることが期待されています。クロスユースは葬儀が起点になることが多いです。葬儀より前のサービスとしては介護があるくらいで、あとは相続もお墓も仏壇も全部葬儀後のサービスとなります。ただ、やはり、お客様の大事な人がお亡くなりになったタイミングで、それがどんなに必要なものであったとしてもセールスをすることは難しいわけです。
それでも、事前の問い合わせに関しては、最初のお電話ではもちろん葬儀社のご案内が中心となりますが、後追いのアウトバウンドでもう少し深いところまでヒアリングができるんじゃないかと考えています
実際にお客様から事前にどのようなことを準備しておいたらいいですかという質問もかなりございます。そうした際に、弊社の他のサービスをご案内することは可能だと考えています。
社内では現在、こうしたアウトバウンドもそうですが、他にも様々な取り組みを行っています。そうした施策ができることもベルシステムさんが人員欠けを起こさずに対応していただけるという安心感があることが大きいです」

より柔軟なセンター作りを

「今後の展望として、もしかしたら3年から5年くらいかかるかもしれないですが、弊社のコンタクトセンターをひとつにまとめたいと個人的には思っています。今、コンタクトセンターがあるのは介護と墓と相続、あとは私たちの葬儀です。四つの事業部の知識、ノウハウをひとつにできれば今よりも少ない人数で柔軟に回せるようになります。全員がその四つの事業部のスキルを身につけることが理想です。
近々でも私たち葬祭事業部は相続の電話を受け始めます。相続が8時までの対応になるのですが、その後も電話が来る可能性はあるので、8時以降の電話は24時間対応をしている葬儀側で受けることにしました。このように少しずつ実現に向けて進んでいると考えています。その際に、ベルシステムさんが、相続やお墓のセンターの方にも入っていただければ、現在は事業部ごとにばらばらに業務を委託している分もすべてベルシステムさんに統一することができるんじゃないかと思っています」

内製センターとベルシステム24の並走で品質を高めていきたい

「ベルシステムさんからは最初、品質評価をAIでしましょうという提案もいただきました。この品質の評価の部分では現段階はAIよりも人が介在する方が効果は大きいだろうと判断して、現在は人の対応とさせていただいています。ただ、AIの活用は弊社でも色々と行っていて、SV単位でもスクリプトを作る時には一旦作ったら、とりあえずAIに読み込ませるということは必ずやっています。また、オペレーターの発話を全部録音、文字起こしをして、キーワードをAIが判別し、オペレーターの対応をチェックするといったことは行っています。直近では電話における0.5%の放棄呼の部分をAIに対応させることに挑戦してみたいと考えています。電話対応も決まりきった流れの部分は人ではなくてAIに差し替わっていくと思いますので、そのテストとして導入してみたいと思っています。そうした点でもベルシステムさんにご協力いただける部分があると期待しています。
ただ、このように機械化が進む流れがあるからこそ、私たちは今、品質に振り切っているとも言えるかもしれません。葬儀に関わる知見を持った第三者機関として、よりプロフェッショナルな電話応対をしていくことが直近の命題になります。今後も、ベルシステムさんとともに、弊社のコンタクトセンター全体の品質をより高めていくことを目指していきます」

現在、ベルシステム24はKPIの達成を維持したまま、応対品質の向上に向けてトークスクリプトの改善のみならず、新人研修の内容の見直しも行っています。インタビュー内でも見られるように、並走して鎌倉新書様で運営されている内製のセンターにおいてもベルシステム24側の品質面での向上がポジティブな影響を与えています。
今後はワンストップサービスであることを活かした、トータルでのお客様対応も視野に入れ、何よりも人生で多く経験するわけではない終活という状況にあるお客様に寄り添う対応をベルシステム24は鎌倉新書様とともに実現していきたいと考えています。

株式会社鎌倉新書 様

企業サイト:https://www.kamakura-net.co.jp/

葬儀相談「いい葬儀」サービスサイト:https://www.e-sogi.com/

1984年に仏具業界向けの書籍の出版を祖業として設立。2000年に葬儀関連情報サイト「いい葬儀」を開設した後、「いいお墓」「いい仏壇」「いい相続」「いい介護」「いいお坊さん」など多数の終活に関わる情報サービスを提供。現在は情報メディア企業として「サービスを提供したい事業者様」と「終活に取り組む高齢者とその家族」をつなぐマッチングプラットフォームを運営している。「明るく前向きな社会を実現するため、人々が悔いのない人生を生きるためのお手伝いをする」ことをミッションとして、高齢社会における終活インフラの構築を目指しています。

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