母集団形成を成功させる採用マーケティングの最新手法

母集団形成を成功させる採用マーケティングの最新手法

公開日:2026.10.22  
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BPO企業では、コンタクトセンターやバックオフィスなどの現場を支える人材を継続的に確保する必要があり、母集団形成が採用活動の土台になります。一方で、求人媒体への掲載だけに頼る進め方では、応募が思うように集まらない場面も出てきます。そこで注目されているのが、採用マーケティングの考え方です。

本記事では、求人媒体依存から脱却するための母集団形成の考え方と、近年の採用マーケティングで取り入れられている手法を整理します。自社に合った母集団形成の進め方や、採用マーケティングの取り入れ方を検討する際の参考にしてください。

母集団形成とは?採用マーケティングが注目される背景

母集団形成とは、自社の採用に関心を持つ候補者を、選考に進む前の段階から集めていく活動を指します。ここでは、母集団形成の基本と、採用マーケティングが注目されるようになった背景を解説します。

母集団形成の基本的な意味

母集団形成でいう母集団とは、採用選考の入口にあたる「応募してくれる可能性のある候補者の集まり」のことです。母集団形成では、応募者の数だけでなく、自社の仕事や働き方に合う候補者がどれだけ含まれているかも重要になります。

採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、マーケティングの考え方を採用活動に応用し、候補者に自社を知ってもらい、興味を持ってもらい、応募につなげるまでの流れを設計する取り組みです。求人情報を出して待つ「待ちの採用」に対して、候補者との接点を自ら作り、関係を育てていく点に特徴があります。

なぜ今、採用マーケティングが注目されているのか

働き手の価値観や情報収集の方法が多様化し、求人媒体を見る人だけを対象にした採用活動では、出会える候補者が限られる可能性があります。中途採用でも新卒採用でも、採用市場の変化に合わせて接点を見直すことが重要です。BPO企業では、業務の繁閑や新規案件の立ち上げに合わせて人材を確保する場面も多く、母集団形成を安定して進める必要があります。こうした背景から、求人媒体以外の接点も含めて設計する採用マーケティングに関心が集まっています。

求人媒体に依存した母集団形成が抱えやすい課題

求人媒体や求人広告は、短期間で多くの人に求人を届けられるメリットのある手段です。ただし、母集団形成の手段を求人媒体に偏らせると、次のような課題が生じる可能性があります。

掲載期間が終わると接点が途切れやすい

求人媒体は、掲載している間は候補者に見てもらえますが、掲載が終了すると、求人を閲覧しただけの人や応募に至らなかった人との接点は持ちにくくなる可能性があります。応募済みの候補者とは媒体上の機能などを通じて連絡を取れる場合もありますが、そうでない候補者との関係は残りにくいため、次の募集のたびに、改めて一から母集団形成をやり直す場面も出てきます。

他社との差別化が難しい

求人媒体では、同じ形式の中で多くの企業の求人が並びます。仕事内容や条件で比較されやすく、BPO業務の面白さや働く環境、成長の機会といった自社ならではの魅力が伝わりにくい場合があります。求人広告の文面だけでは、職場の雰囲気や人事の考え方まで伝えきれないこともあります。

媒体の状況に左右される

掲載費用の変動やコストの増加、媒体ごとの閲覧状況の変化など、自社でコントロールできない要素によって母集団形成が左右されやすくなります。特定の媒体に偏るほど、状況が変わったときの影響も大きくなると考えられます。

認知度が低い企業ほど埋もれやすい

BPO企業は、一般の求職者にとって事業内容が伝わりにくいことがあります。企業名や仕事内容を知らない状態では、求人媒体の一覧の中で選ばれにくくなる可能性があります。

採用マーケティングで母集団形成を設計する基本の考え方

求人媒体への依存から脱却した母集団形成を目指すには、手法を増やす前に、全体の設計を整えることが重要です。採用マーケティングでは、候補者の状態に応じて関わり方を変える考え方が基本になります。以下の3つのステップで、設計の手順を解説します。

ステップ1:ターゲットを明確にする

まず、どのような人に来てほしいのかを具体的にします。たとえば、コンタクトセンターのオペレーター、バックオフィスの事務担当、チームを率いるスーパーバイザー候補では、必要なスキルも情報収集の方法も異なります。職種や経験、働き方の希望などから、ターゲット像を整理します。中途採用を中心にするのか、新卒採用も視野に入れるのかによって、発信する内容や接点の持ち方も変わります。また、目標とする採用人数や時期も、あわせて決めておきます。

ステップ2:候補者の状態に応じた接点を設計する

候補者は、「自社を知らない段階」「知っているが興味は薄い段階」「興味はあるが応募に迷っている段階」など、さまざまな状態にあります。それぞれの段階で、どのような情報をどこで届けるかを考えます。認知を広げるための発信と、応募を後押しするための情報提供は、役割が異なります。候補者のエンゲージメントを高めるには、段階ごとに適した方法を選ぶことが大切です。

ステップ3:関係を継続して育てる

母集団形成では、すぐに応募しない候補者とも、継続的につながる仕組みを作ります。時間をかけて自社への理解や信頼を深めてもらうことで、将来の応募につながる可能性があります。メールなどで定期的に情報を届け、自社への関心を保ってもらうことも、方法のひとつです。

求人媒体を否定するのではなく、比重を見直す

ここで紹介する考え方は、求人媒体をやめることを意味しません。求人媒体は、今後も有効な手段のひとつです。活用の仕方を見直し、他の施策と組み合わせることが、採用戦略の幅を広げることにつながります。媒体に頼り切る状態から、複数の接点を組み合わせる状態へ移行し、母集団形成全体の比重を見直していくことが、脱却の現実的な進め方です。

求人媒体依存から脱却するための採用マーケティング手法

母集団形成に活用できる採用マーケティングの手法のうち、近年取り入れられているものを紹介します。どれか一つが唯一の正解というわけではなく、自社の採用課題やターゲットに合わせて選び、組み合わせることが前提です。

手法の全体像

手法主な役割取り組む際の留意点
オウンドメディア 仕事や職場の理解を深めてもらう 成果が出るまでに時間がかかる場合がある
SNS 社風や日常を発信し、認知を広げる 運用ルールと継続できる体制が必要
ダイレクトリクルーティング 求める人材へ直接アプローチする 候補者ごとに文面を工夫する手間がかかる
リファラル採用 社員の紹介を通じて接点を作る 社員の負担や公平性への配慮が必要
採用広報 企業の魅力や価値観を伝える 発信内容と実際の職場との整合性が求められる
タレントプール 過去に接点のあった候補者と関係を保つ 個人情報の管理と配慮が欠かせない
カジュアル面談 選考前に相互理解を深める 選考と混同されないよう目的を明確にする

情報発信で認知を広げる手法

採用マーケティングの中でも、オウンドメディア、SNS、採用広報は、自社を知らない人や、まだ興味の薄い人に向けて、母集団形成の入口となる接点を作る役割を担います。BPO企業の場合、「どのような業務をしているのか」「どのような人が働いているのか」が外から見えにくいため、仕事内容や一日の流れ、キャリアの描き方などを、採用サイトやオウンドメディアの記事、動画などのコンテンツで具体的に伝えることが、理解の促進につながる可能性があります。

発信は続けることで効果が積み上がる側面があるため、無理のない更新頻度を決め、SNSの使い方やコンテンツの方針をあらかじめ整えておくことが大切です。

直接つながり、関係を深める手法

採用マーケティングにおいて、ダイレクトリクルーティングとリファラル採用は、候補者と直接関わる手法にあたります。ダイレクトリクルーティングでは、自社が求める経験やスキルを持つ人へ個別にアプローチします。リファラル採用では、社員の知人を通じて、求人媒体では出会いにくい層との接点が生まれる可能性があります。

いずれも、候補者一人ひとりへの丁寧な対応が前提となるため、担当者の工数を見込んだ運用計画が必要です。人事部門だけでなく現場の社員とも連携し、ノウハウを社内に蓄積していくことが、継続的な運用につながります。

候補者との接点を保つ手法

タレントプールとカジュアル面談は、採用マーケティングの中で、すぐの応募につながらない候補者との関係を保つための手法です。タレントプールは、過去に応募した人や面談した人の情報を整理し、時期をみて情報提供を行う仕組みです。カジュアル面談は、選考の前段階で、候補者の疑問や不安に応える場として活用できます。入社後のミスマッチ防止にもつながる可能性があります。

どちらも、母集団形成を「その都度やり直すもの」から「育てていくもの」へ変えるための土台になります。

母集団形成を成功に近づける運用のポイントと注意点

採用マーケティングは、手法を導入しただけで成果が約束されるものではありません。ここでは、母集団形成を継続的に改善していくための実践的なポイントと、注意したい点を解説します。

目的に合わせて指標を決め、振り返る

母集団形成の状況は、応募数だけでなく、どの接点から来た候補者が選考に進み、入社に至ったのかなど、段階ごとに確認します。効果測定を通じて、どの手法がどの課題に効いているのかを見極めることで、力を入れる施策を調整しやすくなります。目標との差を確認し、改善につなげる視点が重要です。

現場や関連部門と連携する

候補者に伝える情報は、実際の職場や働き方と一致している必要があります。採用マーケティングは採用担当者だけで進めるのではなく、現場のマネージャーや先輩社員の協力を得て、リアルな情報を発信することが、候補者の信頼や納得感を高めることにつながります。

個人情報の取り扱いに配慮する

採用マーケティングでは、タレントプールやダイレクトリクルーティングなどを通じて候補者の個人情報を扱います。利用目的の明示や適切な管理など、法令や社内ルールに沿った運用が欠かせません。

万能な手法はないことを前提にする

他社の事例で成果が出た手法が、自社でも同じように機能するとは限りません。ターゲットや採用規模、社内の体制によって、適した手法は異なります。母集団形成の施策は、まずは小さく試し、結果を見ながら範囲を広げる進め方が現実的です。採用活動の目的や費用、運用の体制を踏まえて、無理のない計画を立てることが、成功に近づく一歩になります。

まとめ

母集団形成を成功に近づけるには、求人媒体だけに頼る状態から、複数の接点を組み合わせる状態へ少しずつ移行していくことが一つの方向性になります。

求人媒体に偏った母集団形成では、接点が途切れやすい、差別化しにくいといった課題が生じる可能性があります。こうした課題に対して、採用マーケティングでは、ターゲットの明確化、接点の設計、関係の継続という流れで全体を考えます。手法としては、オウンドメディア、SNS、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、採用広報、タレントプール、カジュアル面談などがあり、自社の課題に合わせて活用し、組み合わせることが大切です。運用にあたっては、効果測定を行って改善を続け、現場と連携し、個人情報にも配慮することが求められます。

求人媒体を手放すのではなく、比重を見直しながら自社に合った採用マーケティングを設計していくことが、安定した母集団形成への第一歩になるでしょう。

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この記事の執筆者

株式会社ベルシステム24 ソリューションサイト編集部

コンタクトセンターの立ち上げ・運営のTIPSやAI活用事例など、現場に役立つ情報を発信しています。