電話中心だった顧客対応の現場は、いま大きな転換期を迎えています。チャット・メール・SNS・Webフォームなど複数のチャネルに対応するマルチチャネル コンタクトセンターへの移行が、顧客対応の質と効率の両立を目指す企業で広まりつつあります。本記事では、マルチチャネル コンタクトセンターの基本的な仕組み・導入メリット・構築ステップを順を追って解説します。
マルチチャネル対応のコンタクトセンターとは
マルチチャネル対応のコンタクトセンターとは、従来の電話応対に加え、メール・チャット・SNS・Webフォームなど複数のチャネルを通じて顧客対応を行う体制のことです。
従来の「コールセンター」(電話専門の顧客対応窓口)は文字通り電話を中心とした窓口でした。しかし、スマートフォンやデジタルサービスの普及により、顧客が企業に接触する手段は多様化しています。「電話をかけるのは手間がかかる」「深夜でもチャットで解決したい」「やり取りを文章で残しておきたい」といったニーズが広がり、電話だけでは対応しきれない場面が生まれています。
マルチチャネルコンタクトセンターは、こうした変化に対応するため、複数の窓口を整備することで、顧客が自分にとって使いやすい方法でサポートを受けられる環境を実現するものです。
なお、「オムニチャネル」という概念もよく比較対象として挙げられます。マルチチャネルが複数チャネルを整備することに重点を置くのに対し、オムニチャネルはチャネル間のデータを連携させて一貫した顧客体験を提供することに主眼があります。まずマルチチャネル対応を整えることが、将来的なオムニチャネル化への基盤となるケースが多いといえます。
「コールセンター」「マルチチャネルコンタクトセンター」「オムニチャネル」の3つの体制を、チャネル構成・連携度・情報管理・導入難易度の4つの軸で整理すると、以下のとおりです。
| 比較軸 | コールセンター | マルチチャネルコンタクトセンター | オムニチャネル |
|---|---|---|---|
| 主なチャネル | 電話 | 電話+メール・チャット・SNSなど | 複数チャネルを統合 |
| チャネル間の連携 | ー(単一チャネル) | 限定的(各チャネルが独立して稼働) | チャネル間をシームレスに連携 |
| 顧客情報の管理 | 電話対応の記録として完結 | チャネルごとに管理 | 全チャネルで一元管理 |
| 導入・運用の難易度 | 低い | 中程度 | 高い |
コンタクトセンターにマルチチャネル対応が求められる背景
マルチチャネルコンタクトセンターへの関心が高まっている背景には、顧客側の行動変化と企業側の運営課題という、2つの側面があります。
顧客の問い合わせ行動の多様化
電話集中によるオペレーター負荷の課題
マルチチャネルコンタクトセンター導入の主なメリット
チャネルを複数整備することで、顧客側・企業側の双方にメリットが生まれます。ただし、整備の仕方や運用次第で効果に差が出るため、導入前に期待値をすり合わせておくことが重要です。
顧客の利便性が高まり、CX向上につながる
問い合わせが分散し、応対効率が改善しやすくなる
対応データの蓄積と活用が進む
マルチチャネルコンタクトセンターの構築ステップ
マルチチャネル対応を進める際は、すべてのチャネルをいきなり立ち上げようとするのではなく、現状把握から段階的に整備していくことが現実的です。以下は一般的な構築の進め方の例です。
ステップ1:現状の問い合わせ状況を可視化する
ステップ2:導入チャネルを選定し、優先順位をつける
ステップ3:ツール・体制・ルールを整備する
ステップ4:試験運用を経て改善サイクルを回す
運用を安定させるためのポイント
マルチチャネルコンタクトセンターは、立ち上げよりも継続的な運用の安定こそが難しい部分です。構築後の品質を保つために、特に意識したい3つのポイントを紹介します。
チャネル間で顧客情報を一元管理する
チャネルシフトを意識した誘導設計を行う
各チャネルの品質を定期的にモニタリングする
まとめ
マルチチャネルコンタクトセンターとは、電話に加えてメール・チャット・SNS・Webフォームなど複数の接点を通じて顧客対応を行う体制のことです。顧客の問い合わせ行動が多様化する現在、電話だけに依存した体制では対応しきれない場面が生まれつつあります。
導入によって期待されるメリットは、顧客利便性の向上・応対効率の改善・データ活用の促進など多岐にわたります。一方で、チャネルを増やすほど運用負荷も増すため、現状分析をしっかり行ったうえで、優先度の高いチャネルから段階的に整備していくアプローチが重要です。
構築後も、情報の一元管理・チャネルシフトの設計・定期的な品質確認を通じて継続的な改善を重ねることが、マルチチャネル コンタクトセンターの運用を安定させる鍵となります。
関連記事:コンタクトセンターでのマルチチャネル対応を検討する前段として、各チャネルの特徴や戦略設計の考え方については「マルチチャネル戦略とは?顧客接点を活かすための実践ポイントを解説」も参考にしてください。
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この記事の執筆者
株式会社ベルシステム24 ソリューションサイト編集部
コンタクトセンターの立ち上げ・運営のTIPSやAI活用事例など、現場に役立つ情報を発信しています。



