市場調査の方法とは?定量調査・定性調査の違いと使い分け

市場調査の方法とは?定量調査・定性調査の違いと使い分け

公開日:2026.08.06  
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市場調査は、消費者ニーズや市場環境を正確に把握するための重要な活動です。しかし「定量調査と定性調査の違いがわからない」「どの方法を選べばよいか判断できない」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。市場調査の方法を正しく理解し、目的に応じて使い分けることが、調査結果を経営判断や戦略立案に活かすための第一歩です。本記事では、定量調査・定性調査・デジタルデータ活用という主な市場調査の方法と、その特徴・実務での選び方を解説します。

市場調査の方法を理解する前に

市場調査の具体的な方法に入る前に、調査の目的と基本的な考え方を整理しておくことが重要です。方法論よりも先に「何のために調べるか」を明確にしておくことで、手法の選択が格段にスムーズになります。

市場調査とはどのような活動か

市場調査とは、自社が事業を展開する市場における、消費者の行動・ニーズ・価値観や、市場規模・トレンド・競合動向などを体系的に収集・分析する活動です。新製品の開発、価格設定、マーケティング戦略の立案、新規市場への参入判断など、さまざまな意思決定の場面で活用されます。

重要なのは、市場調査はゴールではなく「判断のための手段」だという点です。調査を行うこと自体が目的化してしまうと、データは集まっても活用できない結果になりがちです。

調査方法を選ぶ前に決めるべきこと

市場調査の方法を選ぶ前に、以下の3点を明確にしておくことが欠かせません。
  • 調査の目的

    何を明らかにしたいのか、どの意思決定に活用するのかを具体的に言語化する

  • 調査対象

    誰を調べるのか(既存顧客・見込み顧客・特定の年代・業種など)を定める

  • 活用のタイミング

    調査結果をいつまでに、どのような形で使う必要があるかを確認する

これら3点が定まってはじめて、どの調査方法が適切かを判断できます。逆に言えば、目的が曖昧なまま方法を選ぶと、調査コストをかけても有効なインサイトが得られないリスクが高まります。

定量調査とは?主な方法と特徴

定量調査は、市場調査の中でも数値として測定・集計できるデータを収集する方法です。「何割の顧客が満足しているか」「どの価格帯への需要が高いか」といった、傾向を数値で把握したい場合に適しています。

アンケート調査の進め方

定量調査の代表的な手法がアンケート調査です。設問に対する回答を集計・分析することで、顧客満足度・購買意向・認知率などを数値化できます。

アンケート調査を設計する際のポイントは以下の通りです。
  • 設問の明確化

    回答者が迷わず答えられるよう、1つの設問で1つのことだけを聞く

  • 選択肢のバランス

    肯定・否定が偏らないよう、選択肢を中立的に設計する

  • サンプル数の確保

    結果の信頼性を高めるために、分析したいセグメントごとに十分な回答数を集める

  • 回収方法の選択

    Web・郵送・対面など、調査対象にリーチしやすい方法を選ぶ

アンケート調査はコストを抑えながら大量のデータを収集しやすい反面、設問の設計が不適切だと回答に偏りが生じるリスクがあります。設計段階での慎重な検討が求められます。

統計データ・購買データの活用

アンケートに加え、既存の統計データや自社の購買データを活用することも定量調査の重要な手法です。政府機関や業界団体が公表している統計は、市場規模の推計や業界トレンドの把握に活用できます。

また、自社の販売履歴・会員データ・ECサイトの購買ログなどを分析することで、実際の顧客行動に基づく定量的なインサイトを得ることができます。アンケートのような回答バイアスが生じにくく、客観性の高いデータとして活用しやすい点が特徴です。

定性調査とは?主な方法と特徴

定性調査は、市場調査のなかでも顧客の価値観・感情・意思決定の背景など、数値では捉えにくい情報を収集する方法です。「なぜそのような行動をとるのか」「どのような不満を抱えているのか」といった深層的な動機を明らかにする場合に適しています。

インタビュー調査の進め方

定性調査の基本的な手法がインタビュー調査です。対象者と直接対話することで、アンケートでは引き出せない本音や潜在的なニーズを探ることができます。

インタビュー調査を効果的に進めるポイントは以下の通りです。
  • 対象者の選定

    調査目的に合った属性・経験を持つ対象者を選ぶ

  • ガイドラインの準備

    あらかじめ聞くべきテーマを整理しながら、会話の流れに応じて柔軟に質問できるよう準備する

  • 傾聴の姿勢

    調査者の意見や誘導を持ち込まず、対象者が自由に話せる雰囲気をつくる

  • 記録と分析

    発言内容だけでなく、表情・温度感・言い回しなど非言語の情報も記録し、分析に活かす

インタビューは少数でも深いインサイトを得られる手法ですが、1件あたりのコストと時間がかかるため、調査対象と件数は目的に応じて絞り込むことが重要です。

観察調査・グループインタビューの活用

インタビューに加え、観察調査やグループインタビュー(フォーカスグループ)も定性調査でよく用いられる手法です。

観察調査は、顧客が実際に製品を使用したり購買行動をとる場面を直接観察する方法です。顧客自身が言語化しにくい行動パターンや潜在的な不満を発見するうえで有効で、ユーザビリティテストや店頭での行動観察などに活用されます。

グループインタビューは、複数の対象者を同席させて議論を行う手法で、参加者同士の発言が互いに刺激となり、個別インタビューでは出にくいアイデアや意見が引き出されやすい点が特徴です。一方で、特定の参加者の発言に他の参加者が引っ張られる「同調バイアス」が生じることもあるため、ファシリテーターの技量が結果に影響しやすい手法でもあります。

定量調査と定性調査の使い分け方

定量調査と定性調査はそれぞれ異なる強みを持っており、どちらが優れているというものではありません。市場調査の目的に応じて使い分け、状況によっては組み合わせることが効果的です。

目的別の選び方

調査の目的ごとに、どの手法が適しているかを整理すると以下の通りです。「調査の目的」に対して「適した調査方法」を対応させることで、手法選びの判断軸が明確になります。

調査の目的適した調査方法
顧客満足度・認知率などを数値で把握したい 定量調査(アンケート)
市場規模や購買頻度のトレンドを追いたい 定量調査(統計・購買データ)
顧客がなぜその選択をするか理由を知りたい 定性調査(インタビュー)
新製品のコンセプトへの反応を確かめたい 定性調査(グループインタビュー)
顧客が気づいていない潜在ニーズを発掘したい 定性調査(観察・インタビュー)
仮説の検証と背景の理解を同時に行いたい 定量調査+定性調査の組み合わせ

2つを組み合わせる効果

定量調査と定性調査を組み合わせることで、それぞれの限界を補い合うことができます。代表的なアプローチは以下の2パターンです。
  • 定量→定性の順で進める場合

    まずアンケートで全体傾向を把握し、特定のセグメントや課題について定性調査で深掘りします。「何が起きているか」を把握してから「なぜか」を探る流れです。

  • 定性→定量の順で進める場合

    まずインタビューや観察で仮説を立て、その仮説を大規模アンケートで検証します。新製品開発や実態が未知の市場を対象とした調査で用いられることが多いアプローチです。

2つの手法を組み合わせることで、単独では得にくい立体的な顧客理解が可能になります。

デジタルデータを活用した市場調査の方法

従来の定量・定性調査に加え、近年はデジタルデータを活用した市場調査の方法が広がっています。Webやスマートフォンの普及により、顧客が日常的に残す行動データを調査に活用しやすくなっています。

アクセス解析・行動データの活用

Webサイトのアクセス解析データは、顧客の関心や行動パターンを把握するうえで有効な情報源です。どのページがよく閲覧されているか、どのコンテンツで離脱が多いか、流入経路はどこかといったデータを分析することで、顧客ニーズの変化や訴求上の課題を発見できます。

また、サイト内検索のキーワードや回遊経路、コンテンツごとの滞在時間といったデータは、顧客が「何を探しているか」を把握する手がかりになります。購買実績そのものよりも、購買に至る前の検討プロセスを可視化できる点が、Web行動データならではの価値です。

ただし、デジタルデータはあくまで「行動の結果」を示すものであり、その背景にある動機や感情まで読み取るには限界があります。定性調査と組み合わせて解釈することで、より正確な顧客像を描けます。

ソーシャルリスニングの活用

ソーシャルリスニングとは、SNSや口コミサイトに投稿された消費者の発言・評価・感情を収集・分析する手法です。顧客が自発的に発信した情報を分析するため、企業側が設計した調査では引き出しにくい、率直な意見や潜在的なニーズを把握しやすいという特徴があります。

自社ブランドや製品への言及を追うだけでなく、競合製品への評価や業界全体のトレンドワードを分析することで、市場動向の早期把握にも活用できます。

一方で、SNSの投稿は特定の属性・関心層に偏りやすいため、全顧客層を代表するデータとして扱うには注意が必要です。補完的な情報源として位置づけ、他の調査手法と組み合わせて活用するのが現実的です。

まとめ

市場調査の方法は、定量調査・定性調査・デジタルデータ活用と大きく分けられます。それぞれに強みと限界があり、目的に応じて適切な手法を選ぶこと、そして複数の方法を組み合わせることが、調査の精度と活用度を高めるうえで重要です。

一方で、市場調査の設計から実施・分析・戦略への落とし込みまでを自社で対応するには、相応のリソースと専門知識が必要です。調査の体制づくりや外部リソースの活用についてお悩みの場合は、専門的なサポートを検討することも一つの選択肢です。

ベルシステム24では、市場調査を含む調査・分析サービスをご提供しています。調査方法の選定や実施体制についてのご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。


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この記事の執筆者

株式会社ベルシステム24 ソリューションサイト編集部

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