在宅とセンターのハイブリッド運用を確立!天災やパンデミック発生時も事業継続が可能に

アスクル株式会社 様

  • コンタクトセンター
  • 卸売/小売/飲食
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RECOMMENDATIONこんな人に見てほしい

  • インフラなど、お客様の日々の生活に関わる事業を展開されている企業

  • コンタクトセンターの在宅化を検討されている企業

  • 定着率を高めて安定的に雇用を維持したい企業

ISSUE 課題

  • 在宅運用体制を構築し、有事の際でも事業継続を可能にしたい

  • 天災やパンデミック発生時も生産性や品質を維持しながら顧客対応できる運用を構築したい

  • 感染拡大時における従業員の通勤や接触での感染リスクを低減したい

INSTALLATION SERVICE 導入サービス

  • コンタクトセンター

    お客様からのお問い合わせ窓口の一部を在宅化し、在宅とセンターとハイブリッド運用を構築

RESULTS 成果

  • 在宅×センターのハイブリット運用を構築し、有事の際での事業継続性を確保

  • 在宅勤務が可能なことにより、離職率が低減

  • 感染病拡大時の通勤や接触における従業員の感染リスクと不安の解消

新型コロナウイルスのパンデミック発生以降、多くの企業がテレワークを導入しましたが、コンタクトセンターの在宅化には、環境整備やセキュリティ、運用体制の構築など様々な課題をクリアする必要があります。その中で、アスクル株式会社様が、コンタクトセンターの在宅化ノウハウと実績を持つベルシステム24と協力して、同社のカスタマーセンターの在宅化を実現。在宅とセンターのハイブリッド運用で、有事でも質の高いサービスを継続されています。

お話を伺った方

カスタマーサービス本部 カスタマーサービス&エンゲージメント 統括部長 福田 剛 様

感染拡大状況下でも社会インフラとして事業を継続できる体制・運用を構築

すべての仕事場とくらしを支えるインフラ企業として、日本中のお客様に必要なモノやサービスを毎日最速でお届けしているアスクル株式会社(以下アスクル)。パンデミック発生時も、アスクルのパーパス(存在意義)である『仕事場とくらしと地球の明日(あす)に「うれしい」を届け続ける。』を体現することは必須でした。

「当社はコロナ禍以前から多拠点化に取り組み、どこかの拠点が稼働できなくても他の拠点で対応できるBCP(事業継続計画)体制を構築していました。ところが、パンデミックが発生し、日本全国で事業継続が難しい状況に直面。まさか、全国一斉に困難な状況になるとは思っていませんでした」(福田氏)。

緊急事態宣言まで発令される中、事業を継続していくために、まずアスクルの社員とお客様情報を扱わない委託先の方々を在宅ワークに切り替えたと言います。「対外的なリスクが低いところから在宅に切り替えていきましたが、お客様からのお問い合わせにダイレクトに対応するカスタマーセンターは設備・セキュリティ・運用面の課題があるため、後回しになっていたのです」と福田氏は振り返ります。

そのような状況の中、アスクルのお客様対応窓口業務を長年請け負ってきたベルシステム24は、「在宅×センターのハイブリッド運用」を提案。「ちょうどその頃、当社では『アスクル社員は在宅ワークで健康リスクが少ないが、カスタマーセンターの皆さんはセンター勤務で健康リスクを負っている。この状況を改善しなければ』という課題をもっていました。そこで、在宅化のノウハウと豊富な実績を持つベルシステム24の協力を得て、カスタマーセンターの在宅化を進めることにしたのです」(福田氏)。

この決断を受け、アスクルとベルシステム24は両社の垣根を超えたプロジェクト体制を構築し、在宅化の実現に向けて共に動き出しました。

感染拡大状況下でも社会インフラとして事業を継続できる体制・運用を構築

コミュニケーター一人ひとりの環境整備と設定をきめ細かにサポート

既存センターと同等の生産性と品質を保ちながら、在宅化を実現・成功させるために取り組んだことは、大きく3点です。

1点目は「セキュリティを担保したインフラ構築」です。アスクルのネットワークは複雑で、在宅でのセキュリティを担保した状態で大量のデータを遠隔で通信することはかなりの難易度でした。そこで、アスクルとベルシステム24は両社一丸となり様々なテストや協議を重ね、ベストなシステム環境に整えていきました。担当社員もコミュニケーターと同じセットで何度もシミュレーションしたと言います。

また、お客様対応に必要なクオリティでの音声品質や応対スピードにするため、テスト時にはコミュニケーターも粘り強く対応。「試行錯誤を重ねながらも、スムーズに音声通話や通信ができるようになったのは、コミュニケーターさん一人ひとりの導入・設定を丁寧にサポートしてくださったことが大きなポイントですね」と福田氏は言います。

業務をすべて洗い出し、ダブルオペレーションにならない運用を再設計

2点目は「運用の見直しと再設計」です。高レベルなインフラが構築されても、スムーズな運用体制が整っていなければ、在宅化はうまくいきません。そこで、ダブルオペレーションにならないような設計・運用を構築しました。

カスタマーセンター勤務と在宅勤務とでは、運用が異なってきます。例えば、在宅勤務のメンバーがお客様に郵便物を送る際の手順など、今までにない運用が求められます。だからといって二通りの運用を実施すれば、管理者もコミュニケーターも混乱してしまう。この点には頭を悩ませたと言います。そこでベルシステム24は、運用の再設計の必要性を感じ、すべての業務の洗い出しと、管理者の役割の整理を行い、在宅とセンターの運用をできるだけ一本化しました。

在宅でも孤立することなく、スムーズに対応ができるよう1on1でケア

3点目は「コミュニケーターへの教育・サポート」です。在宅でも質を落とすことなくお客様対応ができるようにマニュアルを作成すると同時に、在宅のトラブルシューティング担当とPCのリテラシー専任担当を新たに設置。コミュニケーターが抱える問題や悩みに、迅速に対応しました。さらに、トラブル内容と解決策を蓄積し、トラブルシューティング集を作成。テキストコミュニケーションの作法も定型化するなど、継続的にリテラシーの向上に取り組みました。

また、在宅で業務にあたるコミュニケーターが孤立することなく安心して働けるよう、丁寧かつ綿密なコミュニケーションフローを構築。「1on1でフォローする時間や頻度を増やすなど、積極的にコミュニケーターさんをケアしてくださったことが、在宅化を成功させた大きな要因だと感じています」(福田氏)。

在宅化により離職率が低減。さらなる拡大とチャレンジも

段階的に進めているカスタマーセンターの在宅可能者の比率は現在約28%ですが、すでに様々な効果が生まれていると言います。

その一つが、ご家庭の事情などでセンター勤務が困難になった方が在宅で働けるようになったことです。それにより、離職率は改善され、2020年から2022年9月現在までの間に約2%低減しました。

また、求人面での効果も期待できると言います。例えば、アスクル本社のある豊洲で勤務するとなると路線が限られるため、在宅で仕事ができるということは大きな強みになります。

何より、コロナ禍だけでなく天災などの有事の際でも、在宅で事業継続性を担保できるようになったことは大きな成果だと言います。例えば、台風でセンターに出社することが困難な場合でも、在宅とセンターのハイブリッド運用により、事業は継続できる状況になっています。社会インフラとしての業務を止めないということに、カスタマーセンターは大きく貢献できています。

さらに、今回の在宅化に取り組む際、ベルシステム24からは「この事例をアスクルの他のセクションや委託先へ展開していくモデルケースにしましょう」とアプローチ。「ノウハウを他へ出したくないというのが一般的な考え方だと思いますが、『アスクルのコンタクトセンター全体の効率的な運用に寄与できるなら』と言っていただき、大変感謝しています」と福田氏。現在は、今回の成功事例をもとに進行手順・役割分担・実施ポイント等をまとめたプロセスマニュアルを作成し、他のセンター業務委託先にも横展開中だと言います。

今期中にカスタマーセンターの在宅可能者の比率を約30%まで上げることを目指しているというアスクル。在宅化により採用を全国へ拡大することで、よりスキルが高い人材を活用していくことが期待できます。「ベルシステム24はいつもアグレッシブな提案をしてくれますので、今後も引き続き一緒にチャレンジしていただきたいですね」(福田氏)。

アスクル株式会社 様

企業サイト:https://www.askul.co.jp/kaisya/

1993年に事業所向け通販サービス「ASKUL」事業、2012年には個人向けEC 「LOHACO」を開始。全国の自社EC物流センターから、全国に当日・翌日配送「明日来る」を実現しています。商品開発からラストワンマイルまで担うバリューチェーンにおいて、メーカーやパートナーとの共創を推進し、データとテクノロジーを最大活用してサイバー・フィジカル両面からのビジネストランスフォーメーションを進めています。同社のパーパス〈仕事場とくらしと地球の明日に「うれしい」を届け続ける。〉を実現する社会インフラであり続けることを目指しています。2022年5月期の売上高は4,285億円。従業員数は3,380名(連結/2022年5月20日現在)。

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