経理DXに取り組みたいものの、思うように進まないと感じている企業は少なくありません。紙の書類や担当者ごとのやり方が残ったままでは、システムを導入しても効果が出にくい場合があります。そこで土台となるのが、書類をデータで扱える形にそろえる電子化です。電子化によって転記や保管の手間を減らせれば、経理DXの次の段階である標準化や自動化にも着手しやすくなる可能性があります。本記事では、経理DXが進まない背景を整理したうえで、電子化で解決しやすい課題と、経理業務の標準化・自動化を進めるポイントを紹介します。
経理DXが進まない理由
企業の経理部門は、請求書の処理から決算まで、正確さと期限が強く求められる業務を担っています。そのため、現行のやり方を大きく変えることに慎重になりやすく、経理DXが思うように進まないケースが見られます。ここでは、背景として挙げられる要因を解説します。
紙・属人化・システム分断の3つの壁
現場の負担感と目的の曖昧さ
経理DXの前提となる「電子化」とは
経理DXを進めるうえで、電子化は入り口にあたる取り組みです。ただし、電子化とデジタル化、DXは混同されやすい言葉でもあります。
電子化とデジタル化・DXの違い
一般に、電子化は紙の書類をデータに置き換えることを指します。デジタル化は、業務の一部をデジタル技術で効率化することを広く指す場合が多く、DXは、デジタル技術を活用して業務のやり方や組織の在り方まで見直す取り組みとして使われます。
| 用語 | 主な意味 | 経理業務での例 |
|---|---|---|
| 電子化 | 紙の情報をデータとして扱える形にする | 紙の請求書や領収書をデータで受け取る・保存する |
| デジタル化 | 業務の一部をデジタル技術で効率化する | データ化した伝票を会計システムに取り込む |
| DX | デジタル技術を前提に業務や仕組みを見直す | 承認から記帳までの流れを組み替え、担当者の作業を見直す |
このように整理すると、電子化はDXの一部というより、DXに進むための土台として位置づけられます。紙のままではデータを活用しにくいため、経理DXの最初のステップとして電子化が取り上げられることがあります。
電子化で変わる経理業務の流れ
電子化で解決しやすい経理業務の課題
経理DXの入り口となる電子化は、経理業務の中でも特に紙の影響が大きい領域で効果を発揮しやすいと考えられます。
請求書・領収書まわりの課題
承認・保管・検索まわりの課題
経理業務を標準化するためのポイント
電子化で書類がデータになっても、処理の方法が担当者ごとに異なれば、効果は限定的になります。自動化や経理DXの前段階として、業務の標準化が必要になると考えられます。ここでは、標準化を進めるための二つのポイントを解説します。
業務の棚卸しとルールの明文化
入力・承認フローの統一
経理業務の自動化を進めるためのポイント
標準化が進むと、定型的な作業を自動化しやすくなります。経理DXの効果を実感しやすい段階でもありますが、一度にすべてを変えようとすると現場が混乱しかねません。
自動化しやすい業務の見極め方
段階的に進めるステップ
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対象とする業務を絞り、現状の手順と課題を確認する
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手順を標準化したうえで、自動化の範囲とツールの導入方法を決める
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一部の部門や業務で試行し、結果を確認する
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課題を修正しながら運用を定着させ、対象範囲を広げていく
まとめ
経理DXが進まない背景には、紙の書類、属人化、システムの分断、現場の負担感、目的の曖昧さといった要因が重なっていると考えられます。こうした状況を変える第一歩として、電子化は有効な選択肢の一つです。請求書や領収書の受け取り、承認、保管、検索といった領域では、電子化によって課題を解消しやすくなります。
そのうえで、業務の棚卸しとルールの明文化、入力・承認フローの統一といった標準化を進めれば、自動化の効果も得やすくなります。自動化は、ルールが明確な定型業務から、段階的に広げていくのが取り組みやすい進め方です。
経理DXは、一度に大きく変えるものではなく、電子化、標準化、自動化という三つのステップを順に積み重ねていく取り組みです。自社の業務の現状を見つめ直すところから、始めてみてはいかがでしょうか。
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この記事の執筆者
株式会社ベルシステム24 ソリューションサイト編集部
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