電話通訳サービスとは?導入メリットと選び方のポイントを解説

電話通訳サービスとは?導入メリットと選び方のポイントを解説

公開日:2026.03.02  
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外国人顧客や外国人住民への対応において、言葉の壁は大きな課題です。多言語対応スタッフを自社で確保することが難しい中、注目されているのが電話通訳サービスです。このサービスを活用すれば、必要な時に必要な言語の通訳を利用でき、外国語対応の課題を解決できます。本記事では、電話通訳サービスの仕組みや導入メリット、選び方のポイントを解説します。

電話通訳サービスとは

電話通訳サービスとは、電話回線を通じて通訳者が外国語のコミュニケーションをサポートするサービスです。まずは、サービスの仕組みと、他の通訳手段との違いを確認しましょう。

電話通訳サービスの仕組みと利用方法

電話通訳サービスは、通訳者が電話を介して二者間のコミュニケーションを仲介する仕組みです。一般的な利用方法は「三者間通話」と呼ばれる形式で、利用者・外国人・通訳者の3者が同時に通話し、リアルタイムで通訳を行います。

主な利用の流れは以下のとおりです。
  • オンデマンド型

    必要な時に電話通訳サービスに電話をかけ、通訳者に接続してもらう。待ち時間なく、すぐに通訳を開始できるサービスも多い

  • 予約型

    事前に日時と言語を指定して通訳者を予約する。重要な商談や長時間の対応に適している

  • コールバック型

    外国人から着信があった際に、通訳サービスに転送して対応してもらう

スマートフォンやタブレットを使った映像通訳サービスもあり、画面越しに通訳者の顔が見えることで、より安心感のあるコミュニケーションが可能です。書類を画面に映しながら説明できるため、申請書の記入案内などにも適しています。

対面通訳・翻訳ツールとの違い

電話通訳サービスと他の通訳手段には、それぞれ特徴があります。

手段特徴メリット注意点
電話通訳サービス 電話回線を通じて通訳者がリアルタイムで通訳 即時対応可能、通訳者の派遣が不要、多言語に対応 非言語コミュニケーション(表情・ジェスチャー)が伝わりにくい
対面通訳 通訳者が現場に同席して通訳 表情やニュアンスを含めた細やかな対応が可能 通訳者の派遣に時間とコストがかかる
AI翻訳ツール 音声やテキストを自動で翻訳 24時間いつでも利用可能、低コスト 専門用語や複雑なニュアンスの精度に課題がある場合もある

電話通訳サービスは、対面通訳よりも迅速かつ低コストで利用でき、AI翻訳ツールよりも正確で柔軟な対応が可能です。状況に応じて、これらの手段を使い分けることが効果的です。

電話通訳サービスの導入メリット

電話通訳サービスを導入することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、主なメリットを紹介します。

必要な時だけ利用できるコスト効率の高さ

電話通訳サービスの大きなメリットは、必要な時だけ利用できる点です。

多言語対応スタッフを自社で雇用する場合、採用・育成コストに加え、毎月の人件費が発生します。しかし、外国語での対応が必要な場面は、業種や時期によって頻度が異なります。

電話通訳サービスには、利用した分だけ料金が発生する従量課金制を採用しているものもあり、こうしたサービスを選べば利用頻度に応じた費用で多言語対応が可能です。

多言語に対応できる

電話通訳サービスでは、英語・中国語・韓国語といった主要言語だけでなく、ベトナム語・タガログ語・ネパール語・インドネシア語など、幅広い言語に対応しています。サービスによっては、10言語以上、中には30言語以上に対応しているものもあります。

自社で複数言語に対応できるスタッフを揃えることは現実的に困難ですが、電話通訳サービスを活用すれば、必要な言語にすぐに対応できる体制を構築できます。

近年、在留外国人の国籍は多様化しており、英語や中国語だけではカバーしきれないケースが増えています。多言語に対応できることは、顧客満足度の向上にもつながります。

専門的な内容にも対応可能

電話通訳サービスでは、日常会話レベルの通訳だけでなく、専門的な内容にも対応できるサービスがあります。

医療機関での症状の聞き取りや処方の説明、行政窓口での手続き案内、ビジネスシーンでの契約内容の説明など、専門用語が必要な場面でも、経験豊富な通訳者が対応します。

特に医療や法務、行政といった分野では、正確な情報伝達が求められます。AI翻訳ツールでは対応が難しい専門的な内容も、人間の通訳者であれば文脈を理解した上で適切に訳すことができます。

電話通訳サービスの活用シーン

電話通訳サービスは、さまざまな場面で活用されています。ここでは、代表的な活用シーンを紹介します。

企業の外国人顧客対応

小売・EC、不動産、通信、金融など、外国人顧客が増えている業種では、電話通訳サービスの活用が進んでいます。

コールセンターやカスタマーサポートに外国語での問い合わせがあった場合、三者間通話で通訳者に入ってもらうことで、スムーズに対応できます。商品やサービスの説明、契約内容の確認、クレーム対応など、幅広いシーンで活用できます。

自社のオペレーターが日本語で話し、通訳者が外国語に訳すため、オペレーターは外国語スキルがなくても対応可能です。

自治体の窓口業務

在留外国人が増加する中、自治体の窓口でも電話通訳サービスの導入が広がっています。

住民登録、国民健康保険、児童手当、税金など、行政手続きには専門用語が多く、日本語が不十分な外国人住民への説明は容易ではありません。電話通訳サービスを活用すれば、窓口職員と外国人住民の間に通訳者が入り、正確な情報伝達が可能になります。

多言語対応の職員を各窓口に配置することは困難ですが、電話通訳サービスであれば、必要な時に必要な言語で対応できます。

医療・緊急時の対応

医療機関や救急現場では、正確なコミュニケーションが命に関わることもあります。電話通訳サービスは、こうした場面でも活用されています。

病院での受付、問診、検査の説明、処方の説明など、患者と医療従事者のコミュニケーションをサポートします。症状を正確に聞き取り、治療方針を正しく伝えることで、外国人患者が安心して医療を受けられる環境づくりにつながります。

医療分野に特化した通訳者を配置しているサービスもあり、医療用語や制度の説明にも対応可能です。

電話通訳サービスの選び方

電話通訳サービスを選ぶ際には、いくつかのポイントを確認することが重要です。自社のニーズに合ったサービスを選ぶための基準を紹介します。

対応言語と対応時間を確認する

まず確認すべきは、対応言語と対応時間です。

対応言語については、自社の顧客層や地域の外国人住民の構成を踏まえて、必要な言語がカバーされているか確認しましょう。英語・中国語・韓国語は多くのサービスで対応していますが、ベトナム語やネパール語など、ニーズが高まっている言語に対応しているかも重要なポイントです。

対応時間については、24時間365日対応のサービスもあれば、営業時間内のみ対応のサービスもあります。夜間や休日にも外国語対応が必要な場合は、対応時間を必ず確認しましょう。

料金体系と契約形態を比較する

電話通訳サービスの料金体系は、サービスによってさまざまです。主な料金体系は以下のとおりです。
  • 従量課金型

    利用した時間や回数に応じて料金が発生。利用頻度が少ない場合に適している

  • 月額定額型

    月々一定の料金で、決められた範囲内で利用可能。利用頻度が高い場合にコストメリットがある

  • 基本料金+従量課金型

    基本料金に加え、利用分の料金が発生。サービスの組み合わせによって異なる

また、最低利用期間や初期費用の有無、通訳時間の最低単位(1分単位か、10分単位かなど)も確認しておくと、実際のコストを正確に把握できます。

専門分野への対応力を確認する

利用シーンによっては、専門分野への対応力が重要になります。

医療機関であれば医療通訳の実績、自治体であれば行政手続きの通訳経験、企業であればビジネス通訳のスキルなど、自社の利用シーンに合った通訳者が在籍しているか確認しましょう。

専門分野に対応できるサービスでは、通訳者が業界特有の用語や制度を理解しているため、より正確でスムーズなコミュニケーションが可能になります。導入前に、対応可能な分野や通訳者の研修体制について確認しておくと安心です。

まとめ:電話通訳サービスは、多言語対応の課題を解決する有効な手段

外国人顧客や外国人住民への対応において、電話通訳サービスは効果的な解決策です。

必要な時だけ利用できるコスト効率の良さ、多言語への対応力、専門的な内容にも対応できる柔軟性が、電話通訳サービスの強みです。企業の顧客対応、自治体の窓口業務、医療機関など、幅広いシーンで活用が進んでいます。

サービスを選ぶ際には、対応言語・対応時間・料金体系・専門分野への対応力を確認し、自社のニーズに合ったサービスを選びましょう。


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