キッティングとは?BPO活用でIT機器導入を効率化する方法

キッティングとは?BPO活用でIT機器導入を効率化する方法

2026.01.23
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企業でパソコンやタブレットなどのIT機器を導入する際、すぐに業務で使える状態にするための作業が「キッティング」です。キッティング作業には専門的な知識と多くの時間が必要となるため、近年ではBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用する企業が増えています。キッティングをBPOで委託することで、社内リソースを本来の業務に集中させながら、IT環境を効率的に整備することが可能です。

本記事では、キッティングの基礎知識からBPO活用のメリットまで、わかりやすく解説します。

キッティングとは何か

キッティングとは、新規に購入したパソコンやタブレット、スマートフォンなどのIT機器を、従業員がすぐに業務で使用できる状態にセットアップする作業全般を指します。IT機器は購入した状態では基本的なOSしかインストールされておらず、業務で使用するには多くの設定作業が必要です。キッティングは、これらの作業を効率的かつ正確に行うことで、従業員がスムーズに業務を開始できる環境を整える重要なプロセスといえます。

キッティングで行う主な作業

キッティングでは、大きく分けて3つの領域の作業を行います。
  • OS・アプリケーション関連

    OSの初期設定やオフィスソフト、業務システムのインストールに加え、セキュリティソフトの導入と設定を行います。

  • ネットワーク関連

    社内ネットワークへの接続設定や、ファイルサーバー、社内システムへのアクセス設定を実施します。

  • ユーザー環境関連

    ユーザーアカウントの作成と権限設定、プリンターやマウスなどの周辺機器の接続、データのバックアップ体制の構築などを行います。

これらの作業を漏れなく実施することで、従業員が受け取ってすぐに業務を開始できる環境が整います。

キッティングが必要とされる場面

キッティングは主に以下のようなタイミングで必要となります。
  • 新入社員の入社時

    配属される従業員分のIT機器を準備する必要があり、特に年度初めなど一度に多数の社員が入社する時期には大量のキッティング作業が発生します。

  • 組織変更や部署異動の際

    新しい部署の業務に合わせた設定変更やアプリケーションの追加が求められます。IT機器のリプレース時期には、既存機器から新機器へのデータ移行も必要です。

  • リモートワークの導入時

    社外からでも安全に業務ができるよう、セキュリティ設定を強化したキッティングが重要になります。

いずれの場面でも、短期間で正確にセットアップを完了させることが求められます。

キッティング作業の具体的な流れ

キッティング作業は計画的に進めることで、ミスを防ぎ効率的に実施できます。ここでは、一般的なキッティングの流れをご紹介します。

事前準備と計画立案

まず、必要な機器の台数や種類、導入スケジュールを明確にします。同時に、インストールすべきソフトウェアのリストアップや、ネットワーク設定の情報整理を行います。

この段階で設定内容を標準化しておくと、作業の効率が大きく向上します。また、ライセンス管理や資産管理台帳への登録準備も重要です。

ハードウェアの確認と初期設定

機器が納品されたら、外観の確認や動作チェックを行います。問題がなければ、OSの初期セットアップを進めます。

ここでは、コンピューター名の設定やドメインへの参加、管理者アカウントの作成などを実施します。資産管理用のシールやタグの貼付もこの段階で行います。

ソフトウェアのインストールと設定

業務に必要なアプリケーションを順次インストールしていきます。オフィスソフト、メールクライアント、業務システムのクライアントソフトなど、部署や役職に応じて必要なソフトウェアは異なります。

セキュリティソフトのインストールと最新の定義ファイルへの更新も、この段階で必ず実施します。各アプリケーションの初期設定や、社内システムへの接続設定も含まれます。

動作確認と引き渡し

すべての設定が完了したら、実際に業務で使用する際の動作確認を行います。ネットワーク接続、プリンター出力、ファイルサーバーへのアクセスなど、一通りの業務フローを確認します。

問題がなければ、使用マニュアルとともに従業員へ引き渡します。必要に応じて、簡単な操作説明を実施することもあります。

キッティングにおける課題

キッティング作業には多くの課題が存在し、企業の情報システム部門の負担となっています。

作業量の増大と人的リソースの不足

大規模な組織や成長企業では、キッティングが必要な機器の台数が膨大になることがあります。特に新年度や組織再編時には、短期間で数十台から数百台の機器をセットアップしなければなりません。

情報システム部門の人員が限られている場合、キッティング作業に追われて本来の業務であるシステム運用や開発、セキュリティ対策などに十分な時間を割けなくなる問題が発生します。

設定ミスやセキュリティリスク

キッティング作業は繰り返しの手作業が多く、人為的なミスが発生しやすい特徴があります。設定の漏れや誤りがあると、セキュリティホールとなったり、業務に支障をきたしたりする可能性があります。

特にセキュリティ設定が不十分な状態で機器を使用すると、情報漏洩やマルウェア感染のリスクが高まります。また、ソフトウェアのライセンス管理が不適切だと、コンプライアンス上の問題も生じます。

標準化の難しさ

部署や役職によって必要なソフトウェアや設定が異なるため、キッティング内容を完全に統一することは困難です。しかし、標準化が不十分だと、トラブル発生時の対応が複雑になり、サポート業務の負担も増大します。

また、IT機器の種類が多様化していることも、標準化を難しくする要因となっています。こうした課題への対応策として、キッティング業務のBPO活用を検討する企業も増えています。

BPOによるキッティング委託のメリット

キッティング業務をBPOで委託することで、企業は多くのメリットを得られます。

社内リソースの有効活用

キッティングをBPOに委託することで、情報システム部門のスタッフは本来の戦略的業務に集中できるようになります。システムの企画立案、セキュリティ強化、新技術の導入検討など、企業の競争力向上に直結する業務に時間とエネルギーを注げます。

特に繁忙期や大量導入時には、BPOの活用が社内の負担軽減に大きく貢献します。臨時的な人員確保の必要もなく、柔軟に対応できる点も魅力です。

品質の向上と標準化

BPO事業者は、キッティング作業の専門的なノウハウと経験を持っています。標準化されたプロセスとチェックリストに基づいて作業を進めるため、設定ミスが大幅に減少します。

また、作業手順の文書化や品質管理体制が整っているため、誰が作業を担当しても一定の品質が保たれます。これにより、機器のトラブルや再設定の手間が削減されます。

コスト削減効果

一見すると外部委託はコストがかかるように思えますが、総合的に見ればコスト削減につながるケースが多くあります。

社内でキッティングを行う場合の人件費、作業スペースの確保、工具や資材の購入費用などを考慮すると、BPOの方が経済的であることが少なくありません。また、作業品質の向上により、トラブル対応や再作業のコストも抑えられます。

スケーラビリティと柔軟性

事業の拡大や縮小に応じて、キッティングの規模を柔軟に調整できることもBPOの利点です。急な増員や拠点拡大の際も、BPO事業者のリソースを活用することで迅速に対応できます。

また、最新のIT機器やOSへの対応も、BPO事業者が持つ専門知識により円滑に進められます。

BPO事業者の選び方

キッティングを委託するBPO事業者を選ぶ際は、以下のポイントを確認することが重要です。

実績と専門性

キッティング業務の実績が豊富で、自社の業種や規模に近い企業への導入経験があるBPO事業者を選ぶと安心です。また、取り扱える機器の種類やOSの幅広さも確認しましょう。WindowsだけでなくMacやChromebook、タブレット端末など、自社で使用する機器に対応できるかがポイントです。

最新のセキュリティ要件やコンプライアンスへの対応力も重要な判断基準となります。

サービス範囲と柔軟性

キッティング作業だけでなく、機器の調達から配送、設置、その後のサポートまで一貫して対応できる事業者であれば、窓口が一本化されて管理が楽になります。特に全国に拠点がある企業の場合、各拠点への直接配送に対応しているかも確認しておくと良いでしょう。

また、急な台数変更や納期調整にも柔軟に対応できる体制があるかを確認することも大切です。繁忙期に依頼が集中した際の対応力も事前に確認しておくと安心です。

セキュリティ体制

キッティング作業では、企業の重要な情報にアクセスすることもあります。そのため、BPO事業者のセキュリティポリシーや情報管理体制を十分に確認する必要があります。

プライバシーマークやISMS認証などの取得状況も、判断材料の一つとなります。作業場所のセキュリティ対策や、作業員の教育体制についても確認しましょう。入退室管理や監視カメラの設置、機密情報の取り扱いルールなど、具体的な対策内容を確認しておくことをおすすめします。

コミュニケーション体制

キッティング作業中に発生する疑問点や変更要望に迅速に対応できるよう、円滑なコミュニケーションが取れる体制が整っているかを確認します。専任の担当者がつくのか、問い合わせ窓口の対応時間はいつまでかなど、具体的な体制を把握しておきましょう。

定期的な進捗報告や、トラブル発生時の連絡体制が明確であることも重要です。報告の頻度やフォーマット、緊急時の連絡手段についても事前に取り決めておくとスムーズです。

まとめ

キッティングは、IT機器を業務で使える状態にセットアップする重要な作業ですが、専門知識と多くの時間を必要とするため、企業の情報システム部門にとって大きな負担となっています。作業量の増大、人的リソースの不足、設定ミスのリスク、標準化の難しさなど、さまざまな課題が存在します。

こうした課題を解決する有効な手段として、キッティング業務のBPO活用が注目されています。BPOを活用することで、社内リソースを本来の業務に集中させながら、作業品質の向上、コスト削減、柔軟な対応力の確保といった多くのメリットを得ることができます。

ただし、BPO事業者を選ぶ際は、実績や専門性、サービス範囲、セキュリティ体制、コミュニケーション体制などを総合的に評価することが大切です。自社のニーズに合ったBPO事業者と協力することで、効率的かつ安全なIT環境の整備が実現できるでしょう。

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