【カンファレンスレポート】<br>見込み客接点を成果に変える<br>~1:Nでの『顧客理解・接触』のベストプラクティス~

【カンファレンスレポート】
見込み客接点を成果に変える
~1:Nでの『顧客理解・接触』のベストプラクティス~

2026.01.15
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2025年11月20日、株式会社EXE Partnerzが主催するイベント「EXE SUMMIT 'GROWTH'」が開催されました。本セッションでは、ベルシステム24とラクスが登壇し、BtoBビジネスにおける見込み客との接点を成果につなげるための実践的な手法について対談しました。テーマは「1:N」、つまり一人の営業担当者がメールなどを活用して多数の見込み客と効率的に接点を持ち、顧客理解を深めるアプローチです。本記事ではその内容の一部をご紹介します。

登壇者

岩堀 司

株式会社ベルシステム24 デジタル戦略部 部長

2007年入社。500 名を超えるコンタクトセンターの運営責任者を経験後、コンサルタントとして顧客企業の業務の可視化・型化、業務アセスメント、業務変革に向けた改善提案のサービスを展開。
2023年より人事戦略・専門人材育成を推進する事業人事部長を経て、2025 年よりデジタル戦略部長に就任。AI・デジタル技術を活用した事業変革を牽引。
AIによるデータ分析を軸とした差別化戦略、AI技術を核とした新規事業創出、プロモーション戦略の立案・実行を統括。

石川 太郎 氏

株式会社ラクス 配配メール事業統括部 営業部 ダイレクトセールス2課 課長

2014年にラクスへ入社し、営業としてメールマーケティングサービスを約1500社へ運用提案、400 社以上に導入。
営業リーダーを経て2017 年よりマーケティング部門に異動し年間50本以上の共催セミナー/展示会の企画・運営や、配配メールBridgeの市場調査・ターゲティング・新機能立案など製品企画にも従事。
現在はマーケティング活動の経験を活かし、過去に失注・停滞した見込み客から受注を最大化するミッションの元、営業マネージャーとしてISのマネジメント、営業手法の型化、後進育成に注力。

BtoB取引の実態:7割が長期検討顧客

BtoB取引において、問い合わせから「長期検討となる割合」は実に7割に上ります。営業としては熱い案件を追いかけて受注につなげたいところですが、すぐに決まる案件は全体の3割程度。残りの7割をいかに管理し、定期的に接点を持ちながら将来の受注につなげるかが重要なポイントとなります。
石川氏は「中長期で停滞したお客様からは受注できないのではないか」という懸念に対し、「あくまで『停滞』や『情報収集中』であり、『今ではない』という見送りのお客様」と説明。さらに衝撃的なデータとして、「この7割の中長期顧客を放置すると、2年以内に競合他社から商品を買っている」という事実を紹介しました。
つまり、問い合わせから2年以内に再検討が始まっているのです。この期間にしっかりとフォローしなければ、せっかくの見込み客を競合に奪われてしまうことになります。

メールマーケティングで成果を出すポイント

メールマーケティングには多くの誤解があります。ラクスの石川氏は、正しい理解のもとで取り組みを実践するためのポイントを解説しました。

「第一想起」を獲得する重要性

理想的な状態とは、顧客が検討を再開する際に自社名が頭に浮かぶ「第一想起」の状態を作ることです。これはメールで定期的に情報発信をしているからこそ実現できます。

目安としては、月1回や2ヶ月に1回ではなく、「週1回」程度の頻度で送り続けることで認知が形成されていくと言われています。

メールに高度な文章力は不要

「成果を出すためには高度な文章力が必要」という誤解がありますが、実はそうではありません。石川氏は以下のポイントを強調しました。

  • メールはあくまでも「Webに来てもらう手段」と捉える
  • 極力シンプルを心がけ、「1リンク・1メール」で流していく
  • 丁寧さ、面白さ、ボリュームは成果にほぼ関係ない

配信頻度の意外な事実:多く送るほど解除率は下がる

「送りすぎると配信解除されるのでは」という心配に対し、驚くべきデータが紹介されました。実は、たくさん送れば送るほど解除率が下がっているのです。

これには理由があり、「自分に関係ないメールがたくさん来るから解除される」のであって、相手が欲しい情報、必要な情報を送り続ければ、解除率を下げ、安定させることが可能です。

ラクスでは「あまり製品の情報を送らない」ことを心がけ、「BtoBで引き合いを作るために、どんなことをしたらいいか」というノウハウコンテンツを記事化して配信しているとのことです。

商談創出の具体施策3選

ラクスの石川氏からは、メールを活用して商談につなげる具体的な手段が3つ紹介されました。いずれも同社で実践し、成果を上げている施策です。

施策①:セールスメール

営業担当者名のアドレスと名前を差し込んで、シンプルに「打ち合わせしませんか?」と見込み客に一斉配信する方法です。

  • 「相談会」のようなライトな形式:1回の配信で約20件のアポ獲得
  • 「具体的に検討しませんか」という直球:1回の配信で約7件のアポ獲得

日程調整機能を使って営業担当の空き日程カレンダーのリンクを貼ることで、自動的にアポが取れる仕組みも構築できます。

施策②:来訪通知からの架電

Webページへの訪問を検知し、インサイドセールスチームに通知を飛ばして電話をかける施策です。課題が顕在化してWebページに入ってきたタイミングでアプローチできます。

実績として、Excelリストで無差別に電話をする場合と比較して

  • 接触率:3倍
  • アポ率:5倍以上
  • 受注率:大幅に向上

施策③:お久しぶりクリック架電

これまでメールを送っても全く反応しなかった人を引っ張り出してアプローチする方法です。直近10回メールを送って1回も開封しなかった人たちだけに配信し、その中でクリックした人を見つけ出します。

「全く反応がなかった=セキュリティソフトの自動クリックではない。11回目に初めてクリックがあった=外的要因で急に興味を持ち始めた可能性が高い」という逆転の発想から生まれた施策です。

結果は大当たりで

  • 接触率:2倍
  • アポ率:5倍
  • 受注率:従来の5%程度から大きく改善

AIを活用した顧客理解の深化

ベルシステム24の岩堀氏からは、AI技術を活用した顧客理解の深化について紹介がありました。

良いCX(顧客体験)の3条件

F2(2回目の購入・商談)に転換していくためには、初回接点で「良い体験をした」とお客様に感じていただく必要があります。そのためには以下の3つの条件を満たすことが重要です。

  1. タイミング(When / Who / Where)
  2. 内容フィット(What / How)
  3. ニーズ(Why)

この3つが揃えば、「次もこの人に聞いてみたい」「次もこの商品を買いたい」とリピートにつながります。

「ヒトトナリAI」による顧客理解の立体化

ベルシステム24の「ヒトトナリAI」は、過去の購買データや接点データから機械学習を用いて未来を予測し、お客様の理解を立体化・多面化するソリューションです。

過去データに「未来予測」と「ニーズ推定」のデータを加えることで、「このタイミングで、どのお客様に、何を」というフィルターをかけるだけで、次のアクションの仮説が立てられるようになります。

AI活用の成功事例

【アパレルECサイトの事例】

以前は初回購入から1週間後に一律でメールを配信していましたが、機械学習で分析したところ、購入商品ごとに次のニーズ発生タイミングが異なることが判明。靴は14日後、衣服は5日後など、タイミングに合わせて送り分けた結果、転換率が1.5倍に向上しました。

【百貨店の事例】

ベテラン管理者が経験から作成していた架電リストを「ヒトトナリAI」でスコアリング。AIの力を使って効率的にリスト化し架電した結果、受注率が4倍に向上しました。

今後の展望

労働人口の減少や生産効率向上が求められる時代において、BtoBのセールス・マーケティングにおいても、ソリューションを活用してやり方を変え、生産効率を高めていくことが重要です。
石川氏は「どうすれば案件や売上を増やせるかと考えた時、メールを活用するのは正直一番手っ取り早く、かつ費用もかからない」と述べ、「まずは小さく試して、自社の資産を活かして案件を作る」ことを推奨しました。
本レポートで紹介した施策やAI活用のヒントを参考に、2026年に向けた新たなマーケティング戦略を検討してみてはいかがでしょうか。


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