コンタクトセンターの日々の運用管理|効率的な業務フローと品質管理

コンタクトセンターの日々の運用管理|効率的な業務フローと品質管理

2025.12.18
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コンタクトセンターの立ち上げは大きなマイルストーンですが、その後の日々の運用管理は、センターの成功と顧客満足度に大きな影響を与えます。効率的な業務フロー、適切なスタッフマネジメント、継続的な品質管理を実現することで、コンタクトセンターの真の価値が発揮されます。本記事では、コンタクトセンター運用を効果的に進めるための4つのポイントについて、実務的な内容と注意点を詳しく解説します。立ち上げ後の運用管理に課題を感じている企業や、運用の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

シフト管理による効率的なスタッフ配置

コンタクトセンターの運用管理において、シフト管理は基礎となる重要な業務です。顧客からの問い合わせ件数は時間帯や曜日によって大きく変動するため、最適なスタッフ配置を実現することが、応対品質と業務効率の両面で影響を与えます。

需要予測に基づくシフト策定

効率的なシフト管理には、正確な需要予測が重要な要素となります。過去の問い合わせデータを分析し、時間帯別・曜日別・季節別の問い合わせ件数パターンを把握することで、スタッフの必要人数をより正確に判断できます。このデータに基づいてスタッフの配置を検討することで、過剰配置や不足による品質低下を防ぐことができます。

シフト作成の際には、単純な過去データの参照だけでなく、キャンペーンや新商品発売など、問い合わせ量に影響する経営施策の情報も考慮することが有効です。営業部門や企画部門と連携することで、より精度の高い配置計画を立てることができます。

スタッフの勤務希望と柔軟性のバランス

スタッフの勤務希望と業務効率のバランスを取ることが、シフト管理の課題になります。スタッフから申告される勤務希望を把握した上で、顧客からの問い合わせに対応するために必要な人数確保とのバランスを検討する必要があります。

この両立を図るためには、事前のコミュニケーションと、可能な範囲での柔軟な対応が重要です。たとえば、特定の曜日や時間帯にスタッフの希望が集中する場合、その背景にある要因を理解し、部分的な勤務形態の導入を検討するなど、工夫が求められます。

シフト作成から運用までの進捗管理

シフト作成には、スタッフからの希望申告、管理者による調整、システムへの登録、最終確認など、複数のプロセスがあります。各段階で一定期間を要するため、計画的な進捗管理が重要です。遅延が生じるとスタッフへの周知期間が短縮され、急な変更による混乱が発生しやすくなるため、スケジュール管理を徹底することが求められます。

スタッフマネジメントと育成体制

スタッフマネジメントは、スタッフの育成と配置管理に関わる業務です。スタッフの成長を促進し、一貫性のある応対品質を実現するには、体系的な育成体制が欠かせません。

段階的なスキルレベルの設定

コンタクトセンターでは、スタッフのスキルレベルが大きく異なります。新入スタッフから経験豊富なベテランスタッフまで、それぞれが担当すべき業務内容を明確にすることで、配置の効率性が高まります。

一般的には、対応難度に応じて複数のレベルを設定し、各レベルの定義と昇格要件を明確化することが有効です。例えば、初級は基本的な問い合わせ対応、中級は複雑な問い合わせやエスカレーション対応、上級は難件対応と後進指導といった具合に、段階的に責任を拡大するアプローチです。スタッフ側にも目標が明確になり、キャリアパスへの動機づけにつながります。

OJTと集合研修の効果的な組み合わせ

スタッフの継続的な育成には、実務を通じた学習(OJT)と、必要に応じた集合研修の組み合わせが重要です。OJTでは先輩スタッフが新人スタッフを指導し、実際の業務を通じたスキル習得が実現します。一方、集合研修では、新しい商品情報の共有やコンプライアンス教育、応対スキルの均等化など、組織全体で必要な学習を実施できます。

段階や目的に応じて、OJTと集合研修を組み合わせることが、スタッフの育成において重要です。

1on1面談による個別対応

スタッフの動機づけや課題解決には、管理者との定期的な1on1面談が有効です。月1回程度の面談を通じて、スタッフの悩みや成長課題を把握し、個別にサポートすることで、離職防止やモチベーション向上につながります。面談の場では、スタッフ自身が目標を立てることを促し、自主性を引き出すことが重要です。

品質管理とモニタリング体制

コンタクトセンターの品質管理は、単に応対の誤りを指摘するものではなく、継続的な改善を実現するための仕組みです。顧客満足度と業務効率の両面から、適切なモニタリング体制を整備することが求められます。

定期的な通話モニタリング

顧客との通話内容を定期的に確認し、応対品質を評価するプロセスがモニタリングです。全通話の一定割合をサンプリング抽出し、複数の観点から評価するアプローチが一般的です。

モニタリングの主な評価観点は以下の通りです。
  • 応対マナーと傾聴姿勢

    丁寧で顧客の話に耳を傾ける姿勢が見られるか

  • 問題解決能力

    顧客の課題を正確に把握し、適切な解決策を提案できるか

  • 商品知識の正確性

    商品やサービスに関する情報が正確に伝えられているか

  • 顧客ニーズの把握

    表面的な質問だけでなく、顧客の潜在的なニーズを理解しているか

  • 適切なエスカレーション判断

    自分で対応すべき内容と、上位者に引き継ぐべき内容の判断が適切か

これらを総合的に評価することで、スタッフの強みと改善点を客観的に把握できます。

モニタリング結果は、個別スタッフへのフィードバックにとどまらず、スタッフ全体が習得すべき改善点として共有することが重要です。複数のスタッフに共通する課題が見つかった場合、集合研修のテーマとして取り上げることで、組織全体の品質向上につながります。

KPI指標の設定と日次・週次・月次の確認

運用管理では、複数のKPI指標を設定し、定期的に測定・分析することが重要です。応対時間、初回対応率、顧客満足度など、センターの目的に応じた指標を決定します。これらを日次・週次・月次で確認することで、変動の傾向を把握し、適切な対策を講じることができます。

重要なのは、KPIの数値だけを追うのではなく、その背景にある原因を理解することです。応対時間が増加している場合、複雑な問い合わせが増えたのか、スタッフのスキル不足なのか、システムの問題なのか、原因によって対策は異なります。多角的な分析を基に、改善を進めることが大切です。

顧客フィードバックの活用

通話モニタリングやKPI管理と同様に重要なのが、顧客からの直接的なフィードバックです。顧客満足度調査やアンケートを実施し、対応に対する評価や改善要望を収集することで、実際のユーザー視点から品質課題を発見できます。

特にネガティブなフィードバックには、改善のヒントが隠れています。クレームや低評価の内容を分析し、スタッフ教育やプロセス改善に反映させることで、同様の問題の再発防止につながります。

日々の業務フロー管理と問題対応

コンタクトセンターの運用では、日々の業務がスムーズに進むよう、細かな管理と柔軟な対応が求められます。計画通りに進まないことも多いため、予見的な対応と迅速なトラブルシューティングが重要です。

朝礼・終礼による情報共有

1日の開始前に朝礼を実施し、その日の予定人数、注意事項、新しい情報などを全スタッフに共有することは、運用トラブルの予防に有効です。同様に、1日の業務終了時に終礼を開催し、その日発生した問題や改善事項を記録・共有することで、継続的な改善につながります。

トラブルシューティングの体制整備

システムトラブル、スタッフの急な欠勤、顧客クレームの対応など、予期しない問題が発生することは避けられません。こうした場面において、迅速に対応できる体制が整備されていることが重要です。事前に問題パターンと対応方法をマニュアル化し、管理者や担当スタッフが共有しておくことで、対応の遅延を最小化できます。

また、対応した問題について、原因分析と再発防止策の検討を行うプロセスも大切です。同じトラブルが繰り返し発生することは、運用効率を大きく低下させるため、根本的な解決を目指すべきです。

データと報告の効率化

日々の運用管理に必要なデータ報告が負担になっている場合、業務システムの活用やレポーティング機能の最適化を検討する価値があります。手作業での集計を削減し、自動化できる部分は自動化することで、管理者の業務時間を削減し、より戦略的な改善活動に時間を割くことができます。

まとめ|運用管理の継続的改善がセンター成功の鍵

コンタクトセンターの運用管理では、シフト管理、スタッフマネジメント、品質管理、日々の業務フロー管理といった要素を効果的に機能させることで、効率的な業務フローと安定的な応対品質が実現します。

運用管理において特に重要なのは、単に計画を実行するだけではなく、継続的に改善し、より良い体制を目指すマインドセットです。スタッフからの提案を活かし、顧客フィードバックを反映させ、データに基づいた改善を重ねることで、コンタクトセンターの価値は継続的に向上していきます。

本記事でご紹介した運用管理の考え方と手法を参考に、自社のコンタクトセンターの最適化に取り組んでいただければ幸いです。


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